Azure UbuntuによるWeb放送システム構築例

動画配信システムとしては多種多様なものがあります。
動画配信システムとまでいかないとしても各種動画の再生画面を単純にスマホから視聴できるようにしたWeb放送システムの構築例をご紹介致します。
Azure Ubuntuを利用した今回のWeb放送システムの構成の概要は次の通りです。
簡単に言うと、スマホに入っている動画をAzure仮想マシン側にて再生し、その再生画面をスマホからAnyDesk接続して視聴するというものです。


  1. 今回のWeb放送システムの構成


  2. AnyDeskの放送用権限プロファイルの作成について
    放送サーバに視聴スマホからAnyDesk接続する際、一般的な「無人アクセス」権限プロフィールでログインできるようにしておくと視聴スマホ側から放送サーバのデスクトップを自由自在に操作できてしまいます。
    そこで放送サーバに視聴スマホからAnyDesk接続した場合に視聴スマホ側には動画再生の画面と音声の視聴以外は何も操作できないようにする必要があります。
    例えば視聴しかできない「放送」という権限プロフィールを放送サーバ側で作成する手順は以下の通りです。
    実際の操作は放送局側のPC(Windows)から行っています。


  3. 放送サーバでのAnyDeskサービスの停止と開始


  4. 視聴の様子
    視聴者はスマホのAnyDeskから放送サーバのエイリアスと「放送」プロファイル用パスワードを指定してスマホで視聴できます。

  5. 運用上のポイントについて


  6. iPhoneとのファイル転送について
    AirDroid Personalのファイル転送はiPhoneに対しても利用できます。
    但し、Androidの場合とは違ってローカルネットワーク内でのファイル転送に限定されます。
    下記はPCとiPhoneとのファイル転送例です。

    Androidスマホについてもローカルネットワーク環境では上記のようなiPhoneの手順と同じ要領でhttp://AndroidスマホのIPアドレス:8888指定でファイルアクセス等が行えます。



  7. 補足1(AirDroid Personal)
    今回はAirDroid PersonalのWeb版に着目した利用例をご紹介致しました。
    そのWeb機能はAirDroid Personalの一部の機能であって、やはりメイン機能はリモート操作(スマホ制御)やスマホからのミラーリング機能かと思います。
    下記はAirDroid Personalの無料版でPCからAndroidスマホをワイヤレスでリモート操作している様子です(タスク切り替え操作例)。
    ※ Androidスマホをワイヤレスでリモート操作するためにはAirMirrorアプリも必要となります。

    更にAirDroid Personalのデスクトップ版にはスマホへの通知をPCのデスクトップに表示する機能もあります。


    Androidスマホとの接続では「ミラーリング」というアイコンが表示されて利用できます。
    下記はローカルネットワーク環境でのAirDroid PersonalのWeb版におけるS22のWebミラーリングの例です(ミラーリングは「基本モード」で行うといいかと思います)。


  8. 補足2(AirDroid Remote Support)
    AirDroid Remote SupportはPCからスマホを遠隔操作する機能を主眼とした製品です。
    遠隔操作するPC側にはAirDroid Businessというアプリをインストールします。
    (遠隔操作される側がPCの場合はPC用のAirDroid Remote Supportをインストールします)
    AnyDeskの無人アクセスのように遠隔操作される側の使用者の承認を得ずして遠隔操作を可能とする機能(無人端末の制御)もあります。
    遠隔操作するにあたっては画面共有、音声メッセージ、音声通話等の機能が使用可能となっています。
    遠隔操作されるスマホ側がDeX画面の場合の画面共有ではDeX画面自体が共有されることになりますが実際には縦長画面を前提としているため黒の余白部分が広いDeX画面の共有となります。
    画面を共有しながらサポートする側は音声通話にて遠隔操作されるスマホ側の利用者に操作依頼をしたりできます。

    ちなみにAirDroid Remote Supportでは14日間無料トライアル版を使用することができます。
    【14日間無料トライアル版の制約等】
    (1)接続時間は10時間に制限されます。
    10時間のうちの残りの使用可能時間についてはhttps://biz.airdroid.com/#/remote-support/dashboard にサインインしてからのダッシュボードで確認できます(下記はその表示例です)。

    尚、14日間無料トライアル期間中に残りの時間があっても、「今月ご利用可能な接続時間は終了しました。」と表示されることがあります。
    その場合は接続自体はできますがPC側からサポートを受けるデバイスの画面操作を行うことはできなくなります(テキストメッセージの送信等はできますが...)。

    (2)14日間の無料トライアル後に有料サブスクに自動切り替えされることはありません。
    これについては「AirDroid Remote Support (Business) should be manually purchased after the free trial. 」と明言されています。
    (3)無料トライアル版でもS22側AirDroid Remote SupportとPC側AirDroid Bisinessとの間での双方向音声通話を体験することが可能です。


  9. 補足3(AirMirror)
    AirMirrorアプリはAndroidスマホから他のAndroidスマホをリモート操作するアプリです(ここでのWeb放送システム構築例という主題とは関係ありません)。
    例えばGalaxy S22を新たに使い始めた友人(クライアント)からGalaxy S8を使い慣れたエキスパートへの対応要請によって画面共有や双方向の音声通話等でクライアント側のトラブルシュートや質問対応を行うこともできます。
    詳細な手順説明は省略させて戴きますが大雑把に言うと次のようになります。

    ちなみにAndroidスマホ同士での画面共有型でのサポートはAirMirrorとAirDroid Personalの間でも行えます。
    ※ AirMirror側で接続デバイスを選択して[コントロール]をタップすれば画面共有ができてサポート側からサポートを受ける側の画面操作が可能となります。