VLC for MobileとChromecastの連携利用


スマホ向けのメディア再生アプリの一つである「VLC for Mobile」のVer. 3.1.0(無償)からChromecastに対応するようになりました。
即ちVLC for Mobile(以下VLCと略す)での再生動画や音楽をChromecast接続TVで鑑賞できるようになりました。
VLCではSMB、FTP等のファイルサーバのブラウジングも可能となっており、例えばSMBサーバ内の動画をChromecast接続TVで観ることもできます。
Fire TVと違ってChromecastにはリモコンが付属しておらずChromecastにキャストするアプリ自体がリモコン代わりとなります。

ここではSMB/FTPサーバ内のメディア(動画、音楽)をiPhoneのVLC経由でChromecastにキャストする例を中心に他のアプリも含めてご紹介します。

  1. 環境
    ・ファイルサーバ:Windowsのファイル共有とFTPサーバ
    ・スマホ:iPhone 8 Plus
    ・VLC:VLC for iOS 3.2.6(Based on: 3.0.9 Vetinari)
    ・セットトップボックス:Chromecast UltraとFire TV Stick 4K(AirPlay対応化用のAirReceiver:インストール済)の同居でスマホと同じWi-Fiネットワークに接続済
    ・TV:普通のテレビ(非スマートTV/AndroidTVを内蔵していないTV)

  2. 今回利用する主たるメディア

  3. Chromecast Ultraの起動
    (1)Chromecast UltraをTV(テレビ)とHDMI接続してTVのリモコンで入力切換します。
    (2)Chromecast Ultraの電源をオンにします。
    (3)TV画面の中央にGoogleの「G」ロゴがアニメーション表示されます。

    (4)やがて「接続中」画面で『「xxx」(xxxはWi-Fi名)に接続しています』と表示されます。
    (5)Chromecastにはホーム画面というものはなく起動すると常にスクリーンセーバー画像(背景画像)が次々と表示されます。
    ※ 天気情報や時刻の表示有無については「Google Home」アプリから設定変更可能です。



    私のお気に入りの背景画像はこれです。

    (6)Chromecast/Chromecast Ultraの設定はすべて「Google Home」アプリで確認/変更できます。
    「Google Home」アプリではChromecastに対して音声指示することはできませんが、Chromecastとは関係なく動作する音声応答機能があります。
    試しに「Google Home」でのGoogleアシスタントで「東京オリンピックはいつ始まりますか」と音声で尋ねてみました。
    これ(音声付き動画)がその音声応答です。

  4. VLCでのキャスティングデバイスの選択
    (1)iPhone内のVLCアプリを起動します。
    (2)「ビデオ」タブで右上のキャストアイコンをタップします(メディアを選択してからキャストアイコンをタップしてもOKです)。
    (3)「キャスティングデバイスの選択」で[Chromecast Ultra]をタップします。

    [補足]
    (a)セットトップボックスが1個しかない場合は「キャスティングデバイスの選択」は出てこないで自動的にそのセットトップボックスに接続されます。
    (b)接続が成功するとキャストアイコンはオレンジ色に変わります。
    (c)接続の解除はキャストアイコンをタップしてオレンジ色で表示されている接続済のデバイスをタップすることで行います。


  5. メディア「TestMovie_org.MOV」(1080x1920の縦長動画)の選択
    (1)「ネットワーク」タブを開きます。
    (2)定義済みのファイルサーバをタップします。
    (3)定義済みのSMBサーバを選択して[接続]をタップします。
    (4)共有名(共有フォルダ名)が表示されるのでそれを開きます。
    (5)ファイル一覧で「TestMovie_org.MOV」をタップします。
    ※SMBサーバ内でのファイル名は日本語でも問題ありません。

    (6)メディアの読み込みが開始されます。
    (7)メディアの読み込み中、TV側には青のキャストアイコンが表示されてその後メディアのファイル名が表示されます。
    (8)読み込み完了後、再生が開始されます。
    (9)補足
    キャスティングデバイスに接続していない場合は縦長に表示されます。


    VPN経由でファイルサーバ接続して動画再生したVLC画面はこちらです。

  6. メディア「TestMovie_AdvF1920.mp4」(1920x1080の横長動画)の選択
    (1)SMBサーバ側のファイル一覧で「TestMovie_AdvF1920.mp4」をタップします。
    (2)メディアの読み込みが開始されます。
    (3)メディアの読み込み中、TV側には青のキャストアイコンが表示されてその後メディアのファイル名が表示されます。
    (4)読み込み完了後、再生が開始されます。

    (5)補足
    キャスティングデバイスに接続していない場合は再生サイズが小さく表示されます。



  7. メディア「TestMovie_Wide.MOV」(1920x1080の横長動画)の選択
    (1)SMBサーバ側のファイル一覧で「TestMovie_Wide.MOV」をタップします。
    (2)メディアの読み込みが開始されます。
    (3)メディアの読み込み中、TV側には青のキャストアイコンが表示されてその後メディアのファイル名が表示されます。
    (4)読み込み完了後、再生が開始されます。

    (5)補足
    キャスティングデバイスに接続していない場合は再生サイズが小さく表示されます。



  8. メディア「01 Cruising For Bruising.mp3」(音楽)の選択
    (1)「ネットワーク」タブを開きます。
    (2)定義済みのファイルサーバをタップします。
    (3)定義済みのFTPサーバを選択して[接続]をタップします。
    (4)当該音楽ファイルの存在するディレクトリ(フォルダ)を開きます。
    (5)ファイル一覧で「01 Cruising For Bruising.mp3」をタップします。

    [補足]
    iTunesやWindows Media Playerを使用してiPhoneの「ミュージック」アプリから抜き出したm4aファイルもキャストできます。

    (6)メディアの読み込みが開始されます。
    (7)メディアの読み込み中、TV側には青のキャストアイコンが表示されてその後画面左側にメディアのファイル名が表示されます。
    (8)読み込み完了後、再生が開始されます。

  9. 補足:Chromecastへの縦長動画のキャストについて
    縦長動画をChromecastへキャストする場合、TV側で横長の黒キャンバスの中央に縦長動画が再生されるように自動変換してくれるアプリもあります。
    ここではそのようなアプリの例として「TV Cast(C)」アプリ(正式名:Video & TV Cast|Chromecast)をご紹介致します。
    ※「TV Cast(C)」アプリの無償版では扱えるファイルの上限が3個ですが860円の支払いで永久にその制限なしで使用可能となります。

  10. ライブカメラキャスト
    ここでのライブカメラキャストとはiPhoneのカメラに映っている映像をリアルタイムにChromecast接続TVに音声付きでキャストすることを指します。
    ここでご紹介するライブカメラキャストはライブ配信サーバを使用しない手頃なキャスト方法です。
    このライブカメラキャストを実現するアプリの一つとして「Chromecast」(Streamer for Chromecast)アプリがあります。
    以下に「Chromecast」アプリによるライブカメラキャストの使用例を示します。
    ※Chromecast Ultraへのミラーリング中はライブカメラキャストは使用できません。


  11. 「TV Cast(C)」アプリと「TV Cast(F)」アプリでの大きな相違点
    「TV Cast(C)」アプリはFire TV Stickにも対応しています。
    「TV Cast(C)」アプリ相当の機能をもつものとしてFire TV Stick専用の「TV Cast(F)」アプリ(Video & TV Cast|Fire TV App)があります。
    (「TV Cast(F)」アプリでFire TV Stickに接続した際のTV側での待機画面はこちらです)
    キャスト機能における両者の大きな相違点としてはホームビデオやカメラロールの縦長動画のTV表示形式が異なる場合があるということです。
    両者のTV画面の表示のされ方は以下の通りです(両者の画面キャプチャのタイミングは若干ずれています)。
    TV Cast(C)でのChromecast接続TV表示 TV Cast(F)でのFire TV Stick接続TV表示


    中央の動画部分の縦横比率は元動画と同じです。 中央の動画部分は扁平状態(横幅が伸びた状態)になって
    表示されます。

    現状では縦長動画をキャストしたい場合にはFire TV Stick + 「TV Cast(F)」よりはChromecast + 「TV Cast(C)」がお勧めかも知れません。
    個人的にはHDMI切替器を使ってのChromecastとFire TV Stickの併用がいいかと思います。


  12. 補足:Fire TV Stick 4Kについて