Android Smart TV Box(T96 Mini)でのキャスティング&ミラーリング試用

Smart TV BoxはAndroid搭載のSTB(Set Top Box)です。
Smart TV Boxにはいろいろな種類の製品がありますが、今回は「T96 Mini」を使ってみました。
T96 Miniの商品名は「Android media player」であり、インターネット配信動画の視聴を主目的としたメディアプレーヤです。
コンセプトはメディアプレーヤですが、実はPCとして利用したりキャスティング&ミラーリングデバイスとして利用したりできる小型機器なのです。
T96 Miniは「Rockchip 3229 TV Box T96MINI」と呼ばれることもあります。
下記はT96 MiniをPCとして利用している状態での画面です(Webブラウザ+ワープロソフト)。



T96 Miniは、マウスとキーボードが使えたり、USBメモリ中の画像を表示したり、別のPC側にある動画を再生したり等、通常のAndroidTVとは違った特性を持っています。
更に、T96 Miniはスマホ連携をあまり想定していない機能セットなのですがAirReceiverを導入することでスマホからのキャスティング&ミラーリングも可能となります。
ここではT96 Miniの基本設定、USBメモリや別のPC側にあるメディアの再生、スマホからのキャスティング&ミラーリング等についてご紹介致します。
尚、今回使用したスマホはiPhone8 Plusです。


  1. T96 Miniの同梱物


  2. TV接続


  3. T96 Miniのセットアップ
    T96 Miniの基本セットアップは以下の通りです。
    リモコンのリング状のナビゲーションボタンの矢印キーで「Settings」を選択してリモコンの[OK]を押してから設定操作を行います。


  4. USBマウス接続(任意ですが、PCライクに使う場合はほぼ必須)
    (1)リモコンでの画面操作は面倒なのでT96 Mini本体にUSBマウスを接続します。
    (2)設定変更なしですぐにUSBマウスが使用可能となります。
    (3)マウスのスクロールボタンも問題なく使用できます。
    (4)アプリにも寄ると思いますが、マウスの右クリックはリモコンの「戻る」ボタンに相当します。
    (5)Fire TV Stickの場合は、Bluetoothマウス/キーボードが接続できますがT96 MiniではBluetoothは使えません。


  5. マウスモード
    T96 MiniをPCのように画面操作する場合、マウスなしでリモコンの矢印キーで目的の所に位置付けるのは面倒です。
    マウス接続していればマウスポインタを自由な位置にダイレクトに移動できて便利です。
    しかしT96 Miniには「マウスモード」というものがあります。
    リモコンの[OK]ボタンの右下にある「マウス」ボタンを押すと「マウスモード」になってマウスモードメッセージが画面に表示されます。

    マウスモードでは、リモコンの矢印キーでマウスポインタを比較的早く移動させることができますがマウスのダイレクト位置付けには及びません。
    やはりUSBマウスの接続がお勧めです。


  6. USBキーボード接続(任意)
    (1)画面上の仮想キーボード(英語のAndroidキーボード)ではURLや検索キーワード等のリモコンでの入力操作は移動範囲が多く面倒なのでT96 Mini本体にUSBキーボードを接続します。
    仮想キーボード;


    (2)設定変更なしですぐにUSBキーボードが使用可能となります。
    (3)日本語キーボードではキートップに書かれている文字(例:「(」)と実際の入力文字(「*」)が変わってしまうため英語キーボードを接続します。


    (4)仮想キーボードの文字種がデフォルトのままであってもUSBキーボードで英数字記号すべてのキー入力ができます。
    (5)尚、USBキーボードの右Shiftキーの上にある「Enter」キーでは仮想キーボードで現在選択されている文字が入力されてしまいます。
    テンキー部分にある「Enter」キーが文字の確定または改行の役割となります。


  7. 有線LAN接続(任意)
    (1)Wi-Fi接続での転送速度が遅いと感じるような環境では有線LAN接続をしてみて下さい。
    (2)T96 Mini本体のEthernetポートにLANケーブルを接続するだけでOKです(設定変更不要)。
    (3)Wi-Fi接続と有線LAN接続は併用可能ですが、Wi-Fi接続した状態で有線LAN接続するとホーム画面ではWi-Fi接続アイコンが有線LAN接続アイコンに変わります。
    (4)その有線LAN接続でのIPアドレス等は「Settings」-[端末]-[端末情報]-[ステータス]で確認できます。


  8. T96 Miniの再起動方法


  9. システムバーの表示制御
    T96 Miniの画面の一番下には黒帯のシステムバーが表示されます。

    システムバーの一番左端にある[下矢印]アイコンはシステムバーを非表示にするためのアイコンです。
    [下矢印]アイコンをクリックすると次のようなポップアップメッセージが表示されます。
    System Bar has hidden
    you can swipe from the bottom of screen to show it again.

    システムバーの再表示は黒帯のシステムバーが表示されていた所からの上方向へのマウスドラッグ(スワイプ相当)で行えます。


  10. アプリの導入
    アプリのインストールはホーム画面の「Google Play」を開いてから行えます。


  11. 音楽ファイルの再生
    音楽ファイルの再生方法にはいろいろありますが、ここではVLC for Androidや「音楽」(MusicPlayer)アプリを使った例をご紹介します。


  12. コピー&ペースト
    PDFファイルの内容をメモ帳にコピー&ペーストしてみました。


  13. Google 日本語入力の導入とUSBキーボードの併用
    中国製のT96 Miniの仮想キーボードはデフォルトで英語の「Androidキーボード (AOSP)」になっています(中国語キーボードへの切り替えは可能)。
    日本語入力ができないだけでなく英字入力でもリモコンでのキー移動が多くて大変疲れます。
    そこで日本語入力を可能とするために「Google 日本語入力」アプリを導入すると共に英数字記号の直接入力のためにUSBキーボードを併用します。


  14. 印刷環境の整備(推奨)
    T96 MiniではUSBマウス/USBキーボード接続やGoogle 日本語入力の導入等でかなりPCライクな機器として使用できるようになりました。
    ここでは印刷環境の整備を行うことでPC代替え機器として一層利用できるようにしたいと思います。
    以下に印刷環境の整備手順を示します。
    まずは実際のPC環境で使用しているWi-Fi接続プリンタの検出テストを以下のように行います。

    次に、「PrinterShare」アプリのWi-Fi接続プリンタには印刷できないという制限解除を行います。
    具体的には「PrinterShare プレミアムキー」というアプリ(有料:\899)をインストールします。


  15. 「Googleドキュメント」アプリの導入
    通常のPCでは「Google ドキュメント」や「Google スプレッドシート」はWebブラウザから利用するのが普通です。
    スマホでは「Google ドキュメント」や「Google スプレッドシート」のアプリを単体でインストールできます。
    T96 Miniでもスマホ同様に「Google ドキュメント」や「Google スプレッドシート」のアプリを単体でインストールできます。

    「Googleドキュメント」アプリは、Microsoft OfficeのWord互換形式で保存可能な無料のワープロアプリです。
    「Googleドキュメント」アプリで作成したファイルはGoogleアカウントの「マイドライブ」に保存されます。
    「マイドライブ」に保存されたWord互換形式ファイルはPCからもアクセス可能です。


  16. 「Googleスプレッドシート」アプリの導入
    「Googleスプレッドシート」アプリは、Microsoft OfficeのExcel互換形式で保存可能な無料の表計算アプリです。
    「Googleスプレッドシート」アプリで作成したファイルはGoogleアカウントの「マイドライブ」に保存できます。
    「マイドライブ」に保存されたExcel互換形式ファイルはPCからもアクセス可能です。


  17. Web Gmailの利用
    T96 Miniの最新バージョンはAndroid 7.1.2ですが「Gmail」アプリをインストールできません。
    インストールエラー(「お使いのデバイスはこのバージョンに対応していません。」)
    「Gmail」アプリをインストールできないためWeb Gmailを利用することにしました。


  18. T96 Mini画面のスクリーンショット
    T96 Mini画面のスクリーンショットは画面一番下のシステムバーの右側にある「カメラ」アイコンまたはキーボードのPrintScreenキーから取得できます。

    システムバーに「キーボード」アイコンが表示されていなくてもキーボードのPrintScreenキーからスクリーンショットを取得できます。


    (1)システムバーが透過表示されていても「カメラ」アイコンによるスクリーンショットは取得可能です。

    (2)動画再生中などでシステムバーが表示されない場合は「カメラ」アイコンが使用できないためPrintScreenキーでスクリーンショットを取得します。
    プレイバーが表示されている場合は「カメラ」アイコンでスクリーンショット取得
    プレイバーが表示されていない場合はPrintScreenキーでスクリーンショット取得

    (3)画面のスクリーンショットを取った瞬間、シャッター音がして、取得された画像が画面に小さく出てきてやがて消えます。


    (4)スクリーンショット画像はシステム内部(Internal Flash)のScreenshotsフォルダにScreenshot_yyyymmdd-hhmmss.pngというファイル名で格納されます。
    ※ スクリーンショット画像の正確な保存先は、/sdcard/Screenshotsです。
    (5)スクリーンショット画像は高速画像ビューア(Fast Image Viewer)等で簡単に確認できます。
    (6)スクリーンショット画像はGoogleの「マイドライブ」にアップロードできます(下記手順参照)。
    (7)更に、スクリーンショット画像をWeb Gmailでのメール添付ファイルとして送信することも可能です。
    (8)スクリーンショット画像の一括削除について;
    ファイルマネージャでも[全てを選択]を使用してスクリーンショット画像を全て削除できますがADB環境(後述)でのrmコマンドを使っても一括削除できます。
    (9)スクリーンショットを取得できないアプリの例
    アプリによってはスクリーンショットを取得できないようにガードされているものがあります。
    例えば「Netflix」アプリはスクリーンショットを取得できません(カメラ撮影版)。
    ちなみに「Netflix」アプリは後述の「分割画面」機能未対応で、分割できない旨の表示が出ます。


  19. T96 Miniの分割画面
    Androidスマホにあるマルチウィンドウ機能はT96 Miniでも使用できます。
    これは2個のアプリを同時に表示できる「分割画面」機能と呼ばれているものです。
    通常のPC利用でも、Webブラウザで調べ物をしながら重要な情報をメモ帳にコピー&ペーストすることがよくあるかと思います。
    また、2個の文書を同時に開いて見比べてみるというケースもあるかと思います。
    T96 Miniではそうしたことができるように「分割画面」機能をサポートしています。
    但し、すべてのアプリを2個同時に並べて表示できる訳ではありません。
    「分割画面」に対応したアプリだけが並べて表示できる対象となります。
    FileExplorer等は分割画面がサポートされていません。

    「分割画面」機能の利用手順を以下に簡単にご紹介します。


  20. 「ファイルマネージャ」アプリの導入
    T96 Mini標準のファイル管理のためのアプリは「FileExplorer」アプリです。
    「FileExplorer」アプリは「分割画面」には未対応で、個人的な印象としては使い勝手も原始的な感じが否めません。
    そこで「分割画面」対応でFTPサーバ機能も含めて直感的に操作がしやすい「ファイルマネージャ」アプリを導入します。


  21. マウス、キーボード、USBメモリの同時接続
    T96 MiniにはUSBポートは2個しかありません。
    しかし通常のPCのようにUSBハブを利用することによって本体のUSBポート不足を補うことができます。
    T96 MiniのUSBポートから供給される電流は小さいためUSBハブとそれに接続したUSB機器に十分に供給することは困難です。
    実際、USBハブにキーボードを接続するとキーボードが反応しなくなりました。
    (どのUSBハブを使用するとか、どのキーボードを接続するとかによっても状況は変わってくるとは思いますが...)
    そこでT96 Miniにキーボードを直結し、USBハブにはマウスとUSBメモリを接続しました。
    その結果、マウス、キーボード、USBメモリの同時接続利用が可能となりました。


  22. ホーム画面のカスタマイズ
    ホーム画面の下側には頻繁に利用するアプリをすぐに起動させるためのクイックアクセスタイル(仮称)があります。
    クイックアクセスタイル群の右側にある[+]タイルをクリックするとアプリ一覧が表示されます。
    そのアプリ一覧からクイックアクセスタイルに登録したいアプリを選択します。
    標準で登録されているのは2個のアプリだけですが、今回は以下のアプリを追加登録してみました。
    今回追加登録したアプリ:Firefox, ドキュメント, Notepad, ファイルマネージャ




  23. T96 MiniのPC化まとめ
    ビジネス業務の一環としてPCを利用する場合を除くと家庭でのPC利用は以下のような使い方が多いかと思います。
    ・ネットサーフィン
    ・メール
    ・簡単なメモ書き
    ・印刷

    このレベルのPC利用なら高価なPCは不要で、T96 Miniで結構間に合いそうです。
    T96 MiniをPCの代替えとしてどの程度対応できるかを下の表にまとめてみました。
    (日本語ドキュメントの作成には仮想キーボードでの移動が多くて絶対不向きです!!! 英語圏の方なら問題なし)

    項目 T96 Miniでの対応
    ディスプレイ
    TVまたはプロジェクター
    マウス USBマウス
    物理キーボード USBキーボード(テンキー付きの英字キーボード)
    Alt+Tab:アプリの切り替え
    Ctrl+C:コピー
    Ctrl+V:貼り付け
    日本語入力 「Google 日本語入力」アプリ
    (日本語ドキュメントの作成には不向き)
    印刷 「PrinterShareプレミアムキー」アプリ
    USBメモリ 読み取り可能
    Webブラウザ (1)Chromeブラウザ(クリップボードへのコピー不可)
    (2)Firefoxブラウザ(クリップボードへのコピー可能)
    メール Webメール
    (Web Gmail等)
    メモ帳 「Notepad」アプリ
    (文字コードはUTF-8のみ)
    pdf閲覧 「PDF Viewer」アプリ
    ワープロ
    (Word互換)
    「Google ドキュメント」アプリ
    (Googleのマイドライブへの保存)
    表計算ソフト
    (Excel互換)
    ×(「Google スプレッドシート」アプリは使用不可)
    ファイル管理 (1)「FileExplorer」アプリ」:分割画面未対応
    (2)「ファイルマネージャ」アプリ:分割画面対応
    インターネット配信動画の視聴
    YouTube, tubi TV, WATCHディズニー・チャンネル等のアプリ
    (NHKプラスは視聴不可)
    BGM (1)「音楽」アプリ
    (2)「VLC for Android」アプリ
    画面キャプチャ
    (スクリーンショット)
    (1)画面下のシステムバーの「カメラ」アイコン
    (2)キーボードのPrintScreenキー
    アプリ切り替え

    システムバーの(タスク管理)でアプリ切り替え可能
    (USBキーボードのAlt+Tabでもタスク管理同様に切り替え可能)
    画面分割

    システムバーの(タスク管理)で2個のアプリを同時表示
    (「分割画面」機能)
    DLNA対応デバイス
    (1)T96 MiniはDLNA対応のセットトップデバイス
    (2)DLNAサーバとDLNAクライアントを兼ねる
    (3)他のDLNA対応デバイスと自由なメディア転送が可能(詳細は後述)
    後述のキャスティング/ミラーリングデバイス化
    (スマホ連携)
    「AirReceiver」アプリ



  24. Windows側でのADB環境の構築とT96 Mini接続
    ADBとはAndroid Debug Bridgeの略で、簡単に言えばWindows側からAndroidデバイスを操作できる簡易ツールの一つです。
    ADBを機能させるにはWindows側でのADB環境の構築とAndroidデバイス側でのADB接続許可設定が必要となります。


  25. iPhoneとの連携(キャスティング&ミラーリング)
  26. iPhoneとのDLNA連携(DiXiM Play編)
    iPhoneに「DiXiM Play」アプリ(DLNAクライアント)を導入するとT96 Mini側に格納されているマルチメディアコンテンツ(画像、音楽、ビデオ)をiPhone側で視聴できます。
    T96 Mini側には最初からDLNAサーバ機能が組み込まれているので特にアプリをインストールする必要はありません。


  27. iPhoneとのDLNA連携(TV Assist/iPlayTo編)
    「TV Assist」アプリはDLNAサーバのマルチメディアコンテンツ(画像、音楽、ビデオ)をDLNAクライアントに転送して再生するアプリです。
    例えば次のようなことができます。
    (1)iPhone内のマルチメディアコンテンツをDLNAクライアントデバイス(例:T96 Mini)で再生
    (2)DLNAサーバ(例:T96 Mini)のマルチメディアコンテンツをiPhone側で再生
    (3)iPhone以外のDLNAサーバ(例:T96 Mini)のマルチメディアコンテンツをiPhone以外のDLNAクライアントデバイス(例:Fire TV StickやH96 Max等)で再生
    尚、「TV Assist」アプリの完全版(有償)として初めから「TV Assist」アプリの完全版同等の有償アプリ形態になっているものが「iPlayTo」アプリ(説明画面)です。
    「iPlayTo」アプリの正式名は「iPlayTo - Media Cast」となっています。
    「iPlayTo」アプリの副題として「Media Cast」と書かれていますが「TV Cast(C)」アプリのようなキャスティングとは違っています。
    「TV Cast(C)」アプリではキャスティング先デバイスでのプレイバー操作はできません(そもそもキャスティング先デバイスにプレイバーは表示されません)。
    (「TV Cast(C)」アプリでのキャスティング先がFire TV Stickの場合はリモコンでの一時停止・再開操作は可能です)
    しかし「iPlayTo」アプリではキャスティング先デバイス(正確には転送先デバイス)でプレイバーを表示できてプレイバー操作(一時停止・再開等)が可能です。
    動画の映像部分をクリックするとプレイバーが表示され、やがて消えます。
    両側の黒背景部分をクリックしてもプレイバーは表示されません。


    もちろん「iPlayTo」アプリ側のプレイバーでの操作(一時停止・再開等)も可能です。
    更に「TV Cast(C)」アプリではT96 Miniに画像をキャストできません(大きな再生マーク表示のままとなります)。

    ここではDLNAサーバとしてのT96 Miniの動画等をiPnoneを経由してDLNAクライアントとしてのFire TV Stickに転送して再生(転送再生)する手順をご紹介致します。
    iPhoneで使用するアプリは「iPlayTo」アプリです。
    またFire TV Stickのデバイス名はAFTMM-17とします。

    [補足:TV Assist/iPlayTo]
    (1)画像をT96 Miniに転送して表示させると画面の左上に撮影日時(タイムスタンプ)が小さく表示されます。
    (2)「TV Assist」アプリでT96 Miniに音楽ファイルを転送して再生中の画面例
    (3)画像転送ではiPhone側での画像拡大化はできません(iPhone側でのピンチアウト不可)。
    (4)画像転送では転送先での画像拡大操作が可能(画像の右下に表示される虫メガネアイコンで拡大表示可能)。


  28. iPhoneとのDLNA連携(8play Pro編)
    「TV Assist」アプリ/「iPlayTo」アプリと類似機能をもつアプリとして「8play Pro」アプリがあります。
    「8play Pro」アプリもDLNAサーバのマルチメディアコンテンツ(画像、音楽、ビデオ)をDLNAクライアントに転送して再生するアプリです。
    DLNAサーバ(例:T96 Mini)のマルチメディアコンテンツをiPhone側で再生する以外にも、
    DLNAサーバ(例:T96 Mini)のマルチメディアコンテンツをiPhone以外のDLNAクライアントデバイス(例:Fire TV Stick等)で再生することも可能です。

    ここではDLNAサーバとしてのT96 Miniの動画等をiPnoneを経由してDLNAクライアントとしてのFire TV Stickに転送して再生(転送再生)する手順をご紹介致します。
    iPhoneで使用するアプリは「8play Pro」アプリです。
    またFire TV Stickのデバイス名はAFTMM-17とします。

    [補足:8play Pro]
    (1)メディアファイル選択画面での横三点メニューで表示されるオプション項目一覧;

    (2)iPhone側に動画を転送再生する場合の表示形式変更オプションとして、[縦長拡大]と[横長戻し]があります。
    ・[縦長拡大]オプションは上部のプログレスバーの右端の上下矢印のアイコンです。
    ・[縦長拡大]オプションを適用すると上下矢印アイコンが横長戻しアイコンに変わります。
    (3)マイ画像での画像転送では画像のプレビューは表示されません(大きなスライドアイコンが表示されるだけです)。
    (iPlayToではサムネイル付き画像ファイル一覧表示のため転送画像を確認できます)


  29. T96 MiniからFire TV Stickへのメディアキャスティング
    T96 Miniにキャスティングアプリを導入するとFire TV Stickに動画・画像・音楽をキャスティングできるようになります。
    【T96 Miniをキャスティング元にする利点】
    (1)キャスティング元デバイスがAndroid Smart TV Boxなのでスマホよりも格段に低価格で済みます。

    ここではT96 Miniからの動画・画像・音楽のキャスティング手順を紹介致します。


  30. T96 MiniからFire TV Stickへのミラーリング(Screen Streaming Mirroring編)
    実用性はともかくとして、Castifyとは別のアプリを導入してT96 MiniからFire TV Stickへのミラーリングを試してみました。


  31. T96 MiniからFire TV Stickへのミラーリング(Screen Cast Mirroring編)
    T96 Mini環境ではリソース面での問題もあり「Screen Streaming Mirroring」アプリの動作は結構重いです。
    そこでその軽量版である「Screen Cast Mirroring」アプリも導入してみました。
    そのアプリには副題が付いていて、「Screen Cast Mirroring - easy screen mirroring」となっています。
    機能的には「Screen Streaming Mirroring」アプリからWeb動画配信機能を削った感じのもので使い方は両者ともほぼ同じです。

    当然ながら、「Screen Cast Mirroring」アプリとWeb動画配信のための「Screen Streaming Mirroring」アプリの同時利用は不可です。
    それは画面コンテンツの両者同時キャプチャができないからです。
    無理にそれをしようとするとミラーリングデバイスでの表示はおかしくなりこの画面で停止してしまいます。


  32. T96 MiniからFire TV StickへのメディアキャスティングとiPhoneからT96 Miniへのキャスティングの同時実行
    あまり実用性は無いと思いますが、T96 MiniからFire TV StickへのメディアキャスティングとiPhoneからT96 Miniへのキャスティングの同時実行をしてみました。
    無理して言えば、プレゼン補助員が大型プロジェクタ接続Fire TV StickにT96 Miniからプレゼン動画をキャスティングしながら、
    iPhoneに入っている画像(資料)も同時に拡大表示チェックするという並行作業も1台のTVで可能という感じでしょうか。


  33. T96 MiniからFire TV StickへのミラーリングとiPhoneからT96 Miniへのキャスティングの同時実行(マージミラーリング)
    T96 MiniからFire TV Stickへの画面ミラーリングとiPhoneからT96 Miniへの画像キャスティングの同時実行を試してみました。
    結果としてはiPhone側の画像→T96 Miniの画面→Fire TV Sticというネスト表示が問題なくできました。
    下記はその操作手順です。

    T96 MiniからFire TV StickへのミラーリングとiPhoneからT96 Miniへのキャスティングの同時実行をここでは「マージミラーリング」と呼ぶことにします。
    (マージとは併合という意味です)
    マージミラーリングはT96 Miniの分割画面機能を利用しています。
    マージミラーリングでは、T96 Mini側のアプリ画面とスマホ側の画像を併せて(マージして)ミラーリングすることが可能となります。


  34. T96 MiniからFire TV StickへのキャスティングとiPhoneからT96 Miniへのミラーリングの同時実行
    T96 MiniからFire TV StickへのキャスティングとiPhoneからT96 Miniへのミラーリングを同時実行させるために次のデバイスとアプリを使用します。

    このキャスティングとミラーリングの手順の概略は以下の通りです。


  35. T96 MiniへのミラーリングとT96 Miniへのキャスティングの同時実行
    T96 MiniへのミラーリングとT96 Miniへのキャスティングを同時実行させるためにはミラーリング元とキャスティング元を別々のデバイスにする必要があります。
    今回はミラーリング元はiPhoneとし、キャスティング元はiPadとしました。

    このミラーリングとキャスティングの手順の概略は以下の通りです。


  36. まとめ:T96 Miniの多機能性
    T96 Miniは下記のような多機能性を持つ小型機器です。
    (1)(大型)TVと接続してメディア再生を楽しむ。
    (2)家庭でPC並に使用する(画面分割して2個のアプリの同時並行操作も可能)。
    (3)スマホからの画像キャスティング先デバイスとして利用できる。
    (4)Fire TV Stickにマルチメディアをキャスティングできる。
    (5)Fire TV StickやWebブラウザにミラーリング/画面共有できる。
    (6)マージミラーリングを利用できる
    (7)ミラーリング/キャスティングでの受信先&発信元になれます。
    [一例]


  37. おまけ:H96 Maxについて
    ここではH96 Maxについて少しご紹介致します。
    H96 MaxではT96 Miniで困っていた以下の点が改良になっています。
    (1)リソースの拡大
    ・CPU(Rockchip):RK3318
    ・OSバージョン:Android 9.0
    ・メモリ:4GB
    ・内部ストレージ用メモリ:64GB
    (2)Amazon プライム・ビデオのアプリがプリインストールされています。
    (3)H96 MaxではGoogle スプレッドシートの編集ができるようになっています。
    (4)Adobe Acrobat Readerがインストール可能になっています。

    ・H96 Maxの画面例;