Parallels Server 3.0 Beta 6(Bare-Metal版)


2008年6月にParallels Server 3.0 Beta 6が公開されました。

(1)Mac OS X版Parallels Server 3.0は正式リリースされていますがBare-Metal版、Linux版、Windows版はBeta版のままです。
(2)Bare-Metal版とはCentOS 5.1をベースにして構築されたハイパバイザー内蔵OSでありユーザインタフェースはCUIです。
但し、別マシンからのParallels管理コンソール(PMC:Parallels Management Console)利用によるGUI操作が可能です。
Parallels管理コンソール(Mac版、Linux版、Windows版)はParallels Server Webからダウンロードして利用できます。
(3)Bare-Metal版でのゲストOSとして適しているのはサーバ用途のOSです。
※デスクトップ用途のOSでは画面転送オーバヘッドが大きくて実用的ではありません。
(4)Bare-Metal版に限らずParallels Server(Mac OS X版Parallels Server含)はCPU仮想化支援機能を用いてコンパクトなハイパバイザを実現しています。
※仮想化支援機能(Intel VT-x/AMD-V)対応マシン以外の環境にはParallels Serverをインストールすることはできません。
(5)Bare-Metal版はゲストOSとしてMac OS X Server 10.5をサポートしていません。
(6)Parallels ServerはVMwareと同様の仮想化ソフトですがゲストOSのXen Domain0を起動することはできません。
※Bare-Metal版でXen本体カーネルはブートできますDomain0のブートが完走しません

ここでは64ビットBare-Metal版の基本的な利用手順に加えてBare-Metal版自体をデスクトップ環境にする方法も紹介します。
※ゲストOSはビジュアルに分かるように敢えてデスクトップOS(Ubuntu Desktop 8.04)を利用しました。
尚、Bare-Metalでない通常のLinux用Parallels Server 3.0とMac OS X用Parallels Server 3.0の使用例も簡単に紹介します。

今回使用したPCのハードウェア構成は以下の通りです。
・CPU:Core 2 Duo E6600(Intel VT-x対応)
・チップセット:Intel P965
・メモリ:3GB
・VGAカード:nVIDIA GeForce 7600 GT(VRAM 256MB)
・HDD:S-ATA 70GB
・LANカード:Intel PRO/100 S ※新しいOSを試行する際の無難なLANカードの一種です


1.Bare-Metal版のインストール



2.Parallels管理コンソールのインストールと起動

http://Parallelsサーバ/をアクセスするとParallels管理コンソールソフトウェアをダウンロードする画面が表示されます。



Mac OS Xの場合はダウンロードしたparallels-management-xxx.dmgファイルをマウントして
Parallels Management Consoleをインストールします。

(1)アプリケーションフォルダからParallels Management Console(Parallels管理コンソール)を起動します。
※Parallels管理コンソールは自動的にParallelsサーバを見つけてくれます。
(2)Parallels管理コンソールでParallelsサーバに最初に接続する時にプロダクトキーの入力が要求されます。
(3)プロダクトキーを入力してアクティベートすることでParallelsサーバ機能が利用できるようになります。


3.仮想マシン定義

ここではUbuntu Desktop 8.04用の仮想マシン定義例を紹介します。


4.ゲストOSのインストール

Parallels管理コンソールでのゲストOSのインストールの流れはネーティブインストールの場合と同様です。
但し、ネットワークに関しては有線接続のローミングモードは解除しておきます。
インストールの詳細手順はここでは省略します。



[留意点]
(1)Parallels Server 3.0でのUbuntuはUbuntu 7.10が前提となっています。
(2)Parallels Server 3.0でのUbuntu 8.04にParallels Toolsをインストールすると画面解像度の不具合が発生します。
(3)デスクトップ用OSの操作レスポンスは画面転送オーバヘッド発生のため鈍重となります。


5.Parallels Server 3.0 Bare-Metal版への日本語GNOME環境の導入

Parallels Server 3.0 Bare-Metal版はCentOS 5.1をベースにしており簡単に日本語GNOME環境を導入できます。
はじめからyumコマンドが使用できるようになっています。

yumコマンドを使用して日本語GNOME環境を導入します。
※Bare-Metal版付属のyumコマンドはCentOS 5.1の最新リポジトリからパッケージをインストールしてくれます。



6.Bare-Metal版日本語GNOME環境でのParallels管理コンソール利用


7.Bare-Metal上のゲストOSからMac OS X Server 1.5のリモート管理例

ローカルParallelsサーバ上のゲストOS(Ubuntu 8.04)からMac OS XのParallels Desktop上のMac OS X Serverをリモート管理できます。

8.Bare-Metalでない通常のLinux用Parallels Server 3.0

Bare-Metalでない通常のLinux用Parallels Server 3.0のインストール所要量は0.2GB程度です。
PMC(Parallels管理コンソール)も自動的にインストールされます。
ここでは64ビット版CentOS 5.2環境でParallels Server 3.0をローカル利用する例を紹介します。
Linux用Parallels Server 3.0のインストールファイル(parallels-server-3.0.2150.92060.run)とアクティベーションキーは取得済みとします。


9.Mac OS X用Parallels Server 3.0

Mac OS X用Parallels Server 3.0は通常Mac OS X Server 10.5環境で使用しますがMac OS X 10.5(デスクトップ版)でも使用できます。
Mac OS X用Parallels Server 3.0インストール時、PMC(Parallels管理コンソール)も自動的にインストールされます。
ここではMac OS X Server 10.5環境でParallels Server 3.0を使用してMac OS X Server 10.5をゲストOSとして実行する例を紹介します。
※Mac OS X 10.5(デスクトップ版)に導入したParallels Server 3.0ではMac OS X Server 10.5をゲストOSにできません。
Mac OS X用Parallels Server 3.0のインストールファイル(Parallels-Server-3.0.2173.135959.dmg)とアクティベーションキーは取得済みとします。