画像・動画・スライドショーのマルチキャストアプリの試用

TV1:画像キャスト
TV2:動画キャスト
TV3:スライドショーキャスト
...その他のTV群への同時キャスト



1台のiPhoneからWi-Fi接続デバイスへの
同時マルチキャスト


ChromecastやFire TV等にキャストするアプリは数多く存在します。
iPhone付属の「写真」アプリの[共有]アイコンメニューにも[AirPlay]があって画像・動画をキャストできます。
更にその「写真」アプリでスライドショー実行時、画面をタップして出てくる「接続」アイコンでデバイス選択すると画像・動画混在のBGM付きスライドショーもキャストできます
但し、「写真」アプリのキャスティングはバックグラウンドキャストではないため「写真」アプリを閉じるとキャスティングは終了します。
「TV Cast(C)」アプリ等バックグラウンドキャストをサポートしているアプリではそのアプリを閉じて他のアプリに切り替えてもキャスティングは継続します。
しかし再びそのキャスティングアプリに戻って接続を解除するとキャスティングは終了します。

ところが「Photo Cast」アプリ(正式名:Photo Video Cast to Chromecast)には接続を解除してもキャスティングを継続させるオプション機能があります。
この機能をここでは便宜上「マルチキャスト機能」と呼ぶことにします。
「マルチキャスト機能」では接続解除後に別のTVに接続してキャストできるため同時に複数のTVにキャスティングが可能です(キャスティングコンテンツは別々でOK)。

ここではiPhoneで「Photo Cast」アプリを試した主な内容をご紹介します。

  1. 環境
    ・スマホ:iPhone 8 Plus
    (Wi-Fi接続時のIPアドレスは当然ながらWi-Fi接続環境によって様々に変化します)
    ・スマホのアプリ:「Photo Cast」アプリ
    ・セットトップボックス:Chromecast UltraとFire TV Stick 4K(AirPlay対応化用のAirReceiver:インストール済)の同居でスマホと同じWi-Fiネットワークに接続済
    (3台同時のマルチキャストテストのために他のセットトップボックスも一時的に使用しました)
    ※1 当方の環境ではFire TV Stick 4Kのデバイス名はデフォルトの「XX's Fire TV」と「AFTMM-18」(AirReceiver組み込み版の仮想デバイス名)とします。
    ※2「Photo Cast」アプリからは「XX's Fire TV」に接続することはできませんのでFire TVとの接続では「AFTMM-18」を選択します。
    ・TV群:普通のテレビ(非スマートTV/AndroidTVを内蔵していないTV)

  2. アップグレード(任意ですが...)
    アップグレードはホーム画面の[Upgrade]タブを開いて行えます。
    フルHD(1080p), 動画圧縮の最良化、画像表示での「Faces」フレーム(画像内の顔部分を自動認識して顔部分を画面のほぼ中央にフルスクリーン表示)という機能を
    試してみたかったのでPLUS版へのアップグレードを行いました。

  3. 基本設定

  4. アプリの特徴
    上記の基本設定をした上での「Photo Cast」アプリの特徴を改めてまとめてみます。

  5. 画像のキャスティング手順

  6. 動画のキャスティング手順

  7. スライドショーの構成定義手順
  8. スライドショーのキャスティング手順

  9. TV3台の同時マルチキャスト例
    3台のTVをそれぞれ以下の通りとします。
    (1)1台目のTV(TV1):Chromecast Ultra接続TVで画像キャスティング用に使用
    (2)2台目のTV(TV2):Fire TV Stick 4K接続TV(リモコン付き)で動画キャスティング用に使用
    (2)3台目のTV(TV3):リモコン付きのセットトップボックス接続TVでスライドショーキャスティング用に使用

    3台のTV全てについてキャスティングは停止されていることを前提としてTV3台の同時マルチキャストの実施例を以下に示します。

    それぞれのキャスティング停止方法は以下の通りです。

  10. おまけ1:画像限定の同報配信アプリ([PhotoCast]アプリ)の試行
    上記の「Photo Cast」アプリとアプリ名が紛らわしい「PhotoCast」アプリ(正式名:Photo Cast with Wi-Fi for PC & ChromeCast)というアプリの特徴もここで紹介します。
    この「PhotoCast」アプリは2016年にリリースされたアプリで画像のみをApple TVやChromecast、更にはPC/タブレット/スマホのWebブラウザにキャストするアプリです。
    この「PhotoCast」アプリはバックグラウンドキャストをサポートしていないためそのアプリを閉じると本アプリのすべてのキャスティングサービスは終了します。
    「PhotoCast」アプリの一番の特徴は同報配信機能です。
    「PhotoCast」アプリの同報配信機能では同じ画像をBGM付き(BGMはオプション)でいろいろなデバイス(PC/スマホ/タブレット等)上のWebブラウザに同時に配信できます。

    「PhotoCast」アプリの画像キャスティングサービスには次の3種類あります。

    まずはメイン画面の構成を説明します。

    それでは「PhotoCast」アプリの最大の特徴である[WiFi Cast]機能についてその使用の流れを以下に説明します。
    尚、この[WiFi Cast]機能を使用する環境でのWi-Fi接続iPhoneのIPアドレスは192.168.1.5とし、セットトップボックスは無い環境とします。


  11. キャスティングの終了
    「PhotoCast」アプリを閉じると[WiFi Cast]のキャスティングは一時的に停止するだけです。
    キャスティングを完全に停止させるには左上の[WiFi Cast]アイコンをタップして「Disconnect」画面で[Disconect(切断)]をタップします。


  12. BGM再生トラブル対応
    [WiFi Cast]でのBGM再生トラブルの例をいくつか紹介します。

  13. クイズ

  14. キャスティング中のiPhoneロックについて
    [WiFi Cast]機能を実行しているデバイス(iPhone)がロック画面になった場合、Webブラウザからの接続が失敗するようです。
    その場合はロック解除するだけでWebブラウザからの接続がOKとなります。

  15. キャスティング中のiPhone再起動について
    [WiFi Cast]でのキャスティング中に何らかの要因でiPhoneを再起動した場合、
    Webブラウザ側(クライアント側)からの再接続が必要になるのかどうかが疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
    結論から言うと[WiFi Cast]でのキャスティング中にiPhoneの再起動があってもWebブラウザ側からの再接続なしで新たな画像を自動受信できます。
    これはWebブラウザが定期的にWebサーバにアクセスして接続できればデータ取得する仕組みのためと思われます(いわゆるプル型)。
    検証例;

  16. キャスティング終了の補足
    [AirPlay Cast]及び[ChromeCast]では「PhotoCast」アプリを閉じるとキャスティングが停止してキャスト先画面は元の画面(ホーム画面や背景画面)に戻ります。
    その閉じた「PhotoCast」アプリを再度開くと[AirPlay Cast]及び[ChromeCast]のアイコンは右側に戻っていて完全に停止したように見えます。
    その状態で[ChromeCast]を起動して同じデバイスに再接続しようとすると、
    「chromeCast上でアプリ起動失敗 別のアプリがchromeCastデバイス上で動いている様子です。」エラーとなることがあります。
    (このエラーが表示された場合はそのデバイスを再起動する必要があります)


    [AirPlay Cast]及び[ChromeCast]の完全停止はそれらのアイコンをタップして「Disconnect」画面で[Disconect(切断)]をタップするようにします。

  17. おまけ2:動画をWeb同報配信できるアプリについて([ScreenMirroring]アプリ)
    [ScreenMirroring]アプリ(正式名:ミラーリング - Miracast)はミラーリングがメインのアプリですが[写真]アプリ中の画像・動画、及びWeb動画のキャスト機能を持っています。
    このような機能を持つアプリはいろいろありますが、本アプリでは動画もWeb同報配信できます。
    本アプリについて簡単にご紹介致します。
    本アプリの機能は以下の通りです(トップ画面:英語版日本語版)。
    [補足]
    [ScreenMirroring]アプリのミラーリング機能だけをサポートしたようなアプリもあります。
    例えば、完全フリーの「ScreenMirroring-」アプリ(正式名:Screen Mirroring -)というものもあります。
    「ScreenMirroring-」の最後の「-」は[ScreenMirroring]アプリから機能を落とした(つまりマイナス)という意味かと思います。
    「ScreenMirroring-」にはWebブラウザにミラーリングする機能しかなく、
    その「ScreenMirroring-」アプリを開くとミラーリング用のWebアドレスが表示されます。
    ミラーリング開始後、Webブラウザからhttp://iPhoneアドレス:10001を開くことでミラーリング内容をJPEG画像として受信し続けます。
    ・LinuxのFirefoxから動画をミラーリング受信している様子(iPhone側ではミラーリングセッション中に動画を再生しています)
    ※ Firefoxのタブのタイトルが(JPEG Image , 1080 x 1920 pixels)...」となっています。
    別々のPCのブラウザから同時に同じ動画を受信できます(複数Webブラウザへの同時ミラーリングに対応しています)。