UML実行環境構築(SUSE LINUX 9.3編)


UML(User Mode Linux)はLinux上で別のLinuxをゲストOSとして実行させるオープンソフトウェアです。
UMLは仮想マシン環境ではないためVGAカードなどのエミュレート機能はありませんがネットワーク環境を簡単に構築できるのが大きな特徴です。

2005年4月にリリースされたNovell SUSE LINUX Professional 9.3日本語版(以下SLP9.3)では標準でUMLが使用できるようになっています。
※SLP9.2でもUMLが使用できます。

ここではSLP9.3をUML環境のホストOSとして利用し、UML環境のゲストOSとしてVine Linux 3.1を使用するという構成のUML環境を構築する手順を紹介します。
※Vine Linux 3.1は2004年11月にリリースされています。


1.ホストOS側でのUML環境の構築

ホストOS(SLP9.3)側でのUML環境構築はYaSTの[ソフトウェア]の[UMLインストール]で簡単に行えます。
YaSTの[UMLインストール]はゲストOSとしてSLP9.3をインストールするものですが、その一環でホストOS側にUML関連パッケージを自動インストールします。
ホストOS側で[UMLインストール]を実行させた後でVine Linux 3.1をUML環境で動作させます。

ホストOS側で[UMLインストール]を実行する手順は次のようになります。



2.Vine Linux 3.1ゲストOS仮想ディスクの作成

UMLでのゲストOSは物理ディスクにインストールされていても仮想ディスクにインストールされていてもどちらでもUMLで利用可能です。
ここでは仮想ディスクにVine Linux 3.1をインストールし、その仮想ディスクをホストOS側のUML環境で起動して利用することにします。

仮想ディスクへのVine Linux 3.1のインストールは手軽なQEMUを利用することにします。
この場合のQEMUはWindows用、Linux用、Mac OS X用のどれでも構いません。
またVMwareで作成した仮想ディスクもUMLのゲストOSとして利用できます。
ここではQEMU on Windowsを使用してVine Linux 3.1の仮想ディスクを用意することにします。

Vine Linux 3.1をUMLのゲストOSとして動作させるための環境構築項目は以下の通りです。

(1)QEMU環境でのVine Linux 3.1のインストール
(2)VNCサーバの導入と自動起動設定
(3)日本語入力パッケージ(Anthy,uim,uimアプレット)のインストール
※仮想フレームバッファデバイスの導入は不要です。
(4)日本語入力環境の変更

(5)/etc/fstabの編集
(6)ネットワーク設定ファイルの変更
(7)UML環境用カーネルモジュールの取り込み

以下に順を追って各項目の詳細手順を示します。上記(1)〜(4)までの各作業はQEMU環境で行います。



3.UML環境でのゲストOS(Vine Linux 3.1)の実行