オープンギャラリー：Windows 10 EnterpriseでのRemoteFX USBデバイスリダイレクト利用例(iPhone Ethernet/USB無線LAN子機編)他

Windows 10 EnterpriseでのRemoteFX USBデバイスリダイレクト利用例(iPhone Ethernet/USB無線LAN子機編)他

2015年11月12日にWindows 10 Enterprise Build 10586がリリースされました。
Windows 10系のInsider Preview版としてはWindows 10 Pro Insider PreviewとWindows 10 Home Insider Previewがありました。
そのWindows 10 Pro/Home Insider Preview Build 10586というのはWindows 10 Pro/Homeのメジャーアップデート版でそのBuild 10586のEnterprise エディションの90日間評価版が利用可能となりました。
Enterprise エディションはPro エディションに比べてデータ保護機能が強化されています。
Windows 10 EnterpriseはWindows Server 2012 R2やHyper-V Server 2012 R2環境での仮想マシンのゲストOSとして動作しますがWindows 10系でRemoteFX USBデバイスリダイレクトが使用可能な唯一のエディションです。
ここ数年の間にポケットWi-Fiルータなどと呼ばれるものが急速に普及しており、iPhoneもポケットWi-Fiルータとして利用可能です。
PCからiPhone経由(iPhoneの「インターネット共有：オン」状態)でインターネット接続する形態は様々あります。
例；

PC側にUSB無線LAN子機(USB無線LANアダプタ)を差し込んでiPhoneと無線接続してインターネットアクセスする形態
Wi-Fiアダプタ内蔵のノートPCからiPhoneのテザリングを介してインターネットアクセスする方式も含めて最も一般的な方法です。
※USB無線LAN子機についてはRemoteFX USBデバイスリダイレクトの対象になるものとならないものがあります。
PCとiPhoneをUSBライトニングケーブルで接続してインターネットアクセスする形態
無線環境が不安定な状況ではPCとiPhoneをUSBライトニングケーブルで直結させるのが最も確実な接続方法です。
尚、この場合はiPhoneをネットワークアダプタ(Apple Mobile Device Ethernet)として認識させて動作させるドライバが必要となりますがそのドライバ(netaapl64.sys)はiTunesをインストールした場合にインストールされるApple Mobile Device Supportコンポーネントの中に含まれています。
※iPhoneについてはRemoteFX USBデバイスリダイレクトの対象になります。
USB無線LAN子機を使用せずにUSB無線LAN子機相当の機能を実現する機器構成を構築してインターネットアクセスする形態
通常、市販のUSB無線LAN子機を使用する場合にはそのドライバをインストールする必要がありますが、Hyper-V ServerのようにUSB無線LAN子機用ドライバのインストーラを実行できないOS環境ではUSB無線LAN子機相当の機能を実現する機器構成を自前で用意する必要があります。
その機器構成はUSB LANアダプタ＋Ethernetコンバータとするのが一般的です。
例えばUSB LANアダプタとして「I-DATAのLANアダプタ搭載USB3.0ハブ(型番：US3-HB3ETG)[内蔵されているアダプタチップ：ASIX AX88179 USB 3.0 to Gigabit Ethernet Adapter]」を使い、Ethernetコンバータとして「BUFFALO Wi-Fi中継機(型番：WEX-G300)」を使った構成ではHyper-V Server 2012 R2のAX88179用ドライバ(ドライバのプロパティ情報)で正常動作します(Ethernetコンバータの接続先設定はHyper-V Serverとは別のOSで実施しておきます)。
このUSB LANアダプタをHyper-Vの仮想スイッチとして定義しておけばその仮想スイッチを割り当てた仮想マシンからiPhone経由でのインターネットアクセスが可能となります(仮想マシン側に割り当てられるIPアドレスは172.20.10.xとなります)。
※一般的なUSB LANアダプタについてはRemoteFX USBデバイスリダイレクトの対象にはなりません。

Hyper-V Server 2012 R2環境でWindows 10 EnterpriseをゲストOSとする仮想マシンではRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用して上記の「PC(実際には仮想マシン)とiPhoneをUSBライトニングケーブルで接続してインターネットアクセスする形態」が確実に使用可能となります。

以下に仮想マシンからRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してApple Mobile Device Ethernetを動作させる手順とUSB無線LAN子機の使用例を紹介致します。
更にWindows 10 Enterprise Build 10586のWindows To Goワークスペースの作成とそのWindows To GoワークスペースのWindowsタブレットでの利用例についても簡単に紹介致します。
今回使用したPC/iPhoneのハードウェア/ソフトウェア構成は以下の通りです。

Hyper-V Server 2012 R2用PC
・CPU：Intel Core i7 2.67GHz
・メモリ：12GB
・VGAカード：ATI Radeon HD 4600
・HDD：S-ATA 2TB
・ネットワークインタフェース：Intel PRO/1000 GT Desktop Adapter, ASIX AX88772(USBインタフェース)
※Intel PRO/1000 GT Desktop AdapterはHyper-V環境の専用仮想スイッチ用に使用します。
・OS：Hyper-V Server 2012 R2
Hyper-V Server 2012 R2のリモート管理・兼仮想マシンへのRDP接続クライアント用PC
・CPU：Intel Core 2 Duo 2.40GHz
・メモリ：3GB
・OS：32ビット版Windows 8.1 Pro
・リモート管理ソフト：サーバマネジャ、Hyper-Vマネジャ
iPhone
今回使用したiPhoneはiPhone5です。
USB無線LAN子機
・ELECOM WDC-300SU2S(2.4GHz対応)
・ELECOM WDC-433SU2M2(5GHz専用)
・BUFFALO WI-U2-300D(5GHz/2.4GHz対応)
Windows 10 Enterprise Build 10586のNested Virtualization動作確認PC
・CPU：Intel Core i5-4590 3.3GHz
・メモリ：16GB
・OS：Windows Server 2016 Technical Preview 4

■ 仮想マシンからRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してApple Mobile Device Ethernetを動作させる手順例(その１)

Windows 10 Enterprise Build 10586(64ビット版)をゲストOSとする仮想マシン定義
(1)仮想マシン名：HVSW10IPEnt
(2)世代：第1世代
(3)起動メモリ：2048MB
(4)接続：仮想スイッチ1(外部接続)
(5)仮想ハードディスクの新規作成：HVSW10IPEnt.vhdx(127GB)
(6)[後でオペレーティングシステムをインストールする]：on
(7)HVSW10IPEntの「設定」
・インストールメディアのDVDイメージ：10586.0.151029-1700.TH2_RELEASE_CLIENTENTERPRISEEVAL_OEMRET_X64FRE_JA-JP.ISO
仮想マシン(HVSW10IPEnt)へのWindows 10 Enterpriseのクリーンインストール
Windows 10 Enterpriseのインストールの流れは以下のようになります。
- 仮想マシン(HVSW10IPEnt)の起動
- Windowsセットアップでの「インストールする言語：日本語(デフォルト)」
- [今すぐインストール]
- ライセンス条項への同意(EUL AI D:T1C-2R_1_ED_EN_E_ja-jp)
- インストールの種類：カスタム(新規インストール用)
- Windowsのインストールの場所：ドライブ0の割り当てられていない領域(デフォルト)
- Windowsがインストールされます
- すぐに使い始めることができます→[簡単設定を使う]
- 接続方法の選択：[ドメインに参加する]
  ※ここで[ドメインに参加する]を選択してもインストール中はドメインへの参加操作はできないためインストール完了後はデフォルトの「WORKGROUP」というワークグループに属することになります。
- ローカルアカウントのセットアップ
- 「たくさんの優れた機能をお楽しみください」表示
- 「必要なものがすべてここに」表示
- 途中略...
- デスクトップ表示
  
  ・実寸画像はこちらです。
- OSインストール後の設定(カスタマイズ)
  (1)ランダムに割り振られたコンピュータ名をHVSW10IPEntに変更します。
  (2)Administratorユーザの有効化とパスワード設定
  (3)ローカルユーザとMicrosoftアカウントの関連付けを実施します。
  ※スタートボタンの[設定]-[アカウント]-[Microsoftアカウントでのサインインに切り替える]で関連付けを実施します。
  (4)[個人設定]-[色]-[スタート、タスクバー、アクションセンター、タイトルバーに色を付ける]オフ→オンでデフォルトの「青」に変更。
RemoteFX USBデバイスリダイレクトによるiPhone経由でのインターネット接続
- RemoteFX USBデバイスリダイレクトの有効化設定
  「RemoteFX USB デバイスリダイレクトの有効化」手順は以下の通りです。
  (1)Hyper-V Server 2012 R2のリモート管理用PC(32ビット版Windows 8.1 Pro)側でgpedit.mscを実行して「ローカルグループポリシーエディタ」を開きます。
  (2)「ローカルグループポリシーエディタ」の[コンピュータの構成]-[管理用テンプレート]-[Windowsコンポーネント]-[リモートデスクトップサービス]-[リモートデスクトップ接続のクライアント]-[RemoteFX USBデバイスリダイレクト]をポイントします。
  (3)その右側に[サポートされている他の RemoteFX USB デバイスの、このコンピューターからの RDP リダイレクトを許可する]が表示されますが「状態」が[未構成]のままになっていればこれを[有効]に変更してリブート/シャットダウンします。
  ※必要に応じてアクセス権を[管理者のみ]から「管理者とユーザ」に変更しておきます。
- Hyper-V Server 2012 R2のリモート管理用PCへのiPhone接続
  Hyper-V Server 2012 R2のリモート管理用PCのUSBポートにライトニングケーブルを介してiPhoneを接続します。
- 仮想マシン(HVSW10IPEnt)の起動
- 「HVSW10IPEntに接続」ダイアログでのRemoteFX USBデバイスリダイレクト対象デバイスの選択
  (1)「HVSW10IPEntに接続」ダイアログの左下にある[オプションの表示]を展開してローカルリソース画面を開きます。
  
  (2)RemoteFX USBデバイスリダイレクト対象デバイスの選択
  ローカルリソース画面で[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]にチェックを入れて[Apple Mobile Device USB Driver (Apple iPhone)]をRemoteFX USBデバイスリダイレクト対象にします。
  
  ※尚、Windows 10 Proの場合もローカルリソース画面での[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]に[Apple Mobile Device USB Driver (Apple iPhone)]は表示されますがRemoteFX USBデバイスリダイレクト自体がなされないため仮想マシンの中からiPhoneを使用することはできません。
  
  ここで＜OK＞、＜接続＞の順でボタンをクリックします。
- サインイン
  この時点ではiPhoneをApple Mobile Device Ethernetとして動作させるドライバ(C:\Windows\system32\drivers\netaapl64.sys)は存在しません。
- iPhone側操作
  この時点でiPhone側で以下の操作をしておきます。
  (1)iPhoneのパスコードによるロックの解除
  (2)[インターネット共有]：オフ→オン
  ※「Wi-Fiはオフです」というダイアログでは[BluetoothとUSBのみ]をタップします。
- iTunesのインストール
  (1)日本のAppleサイトから最新のiTunes for Windows (64-bit)をダウンロードします。
  (2)ダウンロードしたiTunes6464Setup.exeを起動します。
  (3)iTunesのインストールウィザードでインストールを実行します。
  
  (4)インストール後のコンポーネント確認
  iTunesのインストール後、コントロールパネルの[プログラムと機能]でインストールされたコンポーネントを確認します。
  特に重要なのは「Apple Mobile Device Support」コンポーネントがインストールされていることの確認です。
  
  (5)インストール後のドライバ確認
  iTunesのインストール直後の時点では「Apple Mobile Device Ethernet」用のドライバ(netaapl64.sys)はC:\Windows\system32\driversには存在せずC:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository\netaapl64.inf_amd64_56f23639c9617984に存在するだけです。
  しかしiPhoneの認識時点でそのドライバ(netaapl64.sys)がC:\Windows\system32\driversにコピーされます。
  尚、Windows 10 Proの場合もiTunesをインストールするとC:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository\netaapl64.inf_amd64_56f23639c9617984に「Apple Mobile Device Ethernet」用のドライバ(netaapl64.sys)が格納されますがRemoteFX USBデバイスリダイレクト自体がなされないため仮想マシンの中からiPhoneを使用することはできません。
  
  [補足]
  WindowsでiPhoneをLANアダプタとして使用する場合はiTunesに含まれている上記ドライバが必要となりますが、最近のLinuxの場合はipheth(Apple iPhone USB Ethernet driver)というカーネルドライバが最初から組み込まれているためipheth.koモジュールを自分で組み込む必要はありません。
  ・Ubuntu 14.04でiPhoneをUSBケーブル接続してifconfigを実行した例はこちらです(32GBのUSBメモリにインストールしたUbuntuでのiPhone利用でiPhoneのDHCP機能で動的に割り振られたIPアドレスはここでは172.20.10.3になっています)。
- iTunes確認
  iTunesのインストール後は自動的にiTunesが起動されてiPhoneが自動認識されます。
  iTunesの「ようこそ」画面で＜同意します＞をクリックします。
  iTunesのツールバーにiPhoneアイコンが表示されます。
- [ネットワーク接続]と[デバイスマネジャ]確認
  (1)[ネットワーク接続]を開くと「Apple Mobile Device Ethernet」が表示されます。
  (2)[デバイスマネジャ]を開くとネットワークアダプタ欄に「Apple Mobile Device Ethernet」が表示されます。
  下記は仮想スイッチ1でのインターネット接続ができないようにしてiPhoneの「Apple Mobile Device Ethernet」だけでインターネット接続している様子です。
  
  ・実寸画像はこちらです。
- iPhone側で[インターネット共有]：オン→オフにした場合の確認
  iPhone側で[インターネット共有]：オン→オフに変更すると仮想マシン側の[ネットワーク接続]と[デバイスマネジャ]から「Apple Mobile Device Ethernet」が消えます。
- 仮想マシンの再起動後の確認
  (1)仮想マシンをシャットダウンします。
  (2)iPhone側で再度[インターネット共有]：オフ→オン
  (3)仮想マシンを起動
  (4)「HVSW10IPEntに接続」ダイアログの「ローカルリソース」画面で[Apple Mobile Device USB Driver (Apple iPhone)]をRemoteFX USBデバイスリダイレクト対象にします。
  (5)サインイン後の[ネットワーク接続]確認
  再起動前の[ネットワーク接続]では「Apple Mobile Device Ethernet」が「ローカルエリア接続」と表示されていましたが、再起動後は「イーサネット 2」という表示に変わりました。
32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586の仮想マシンでのApple Mobile Device Ethernet利用
上記は64ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586でのApple Mobile Device Ethernet利用例でしたが32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586についても同じようにRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してiPhoneをApple Mobile Device Ethernetとして利用できます。
(1)32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586の仮想マシン名：HVSW10Entx86
(2)HVSW10Entx86への32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586のインストール
(3)ゲストOSインストール後にHyper-V管理ツールの導入もしてみました。
(4)RemoteFX USBデバイスリダイレクトによるiPhone経由でのインターネット接続
- 「HVSW10Entx86に接続」ダイアログでのRemoteFX USBデバイスリダイレクト対象デバイスの選択
- iPhone側操作とiTunes(32ビット版)の導入
- Apple Mobile Device Ethernetを利用したデスクトップ例
  
  ・実寸画像はこちらです。

■ USB無線LAN子機のRemoteFX USBデバイスリダイレクト可否確認

USB無線LAN子機としては多種多様な製品が市販されていますが今回はWindows 10対応のELECOM WDC-300SU2S(2.4GHz対応)/ELECOM WDC-433SU2M2(5GHz専用)及びBUFFALO WI-U2-300DについてRemoteFX USBデバイスリダイレクト可否確認を実施してみました。
結果は次のようになりました。

ELECOM WDC-300SU2S(2.4GHz対応)の場合：仮想マシンで使用不可
(1)あらかじめWindows 10用WDC-300SU2S(2.4GHz対応)ドライバを仮想マシン(HVSW10IPEnt)側にインストールしておきます。
(2)Hyper-V Server 2012 R2のリモート管理用PC(32ビット版Windows 8.1 Pro)のUSBポートにWDC-300SU2Sを差し込んで仮想マシン(HVSW10IPEnt)を起動します。
(3)「HVSW10IPEntに接続」ダイアログの「ローカルリソース」画面における[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]に[WDC-300SU2S]が表示されません。
つまりWDC-433SU2M2はRemoteFX USB デバイス対応ではないということになります。
(当然ながら実機のPC環境のWindows 10 EnterpriseではWDC-300SU2SでのWi-Fi接続が可能です)
ELECOM WDC-433SU2M2(5GHz専用)の場合：仮想マシンで使用可能
(1)あらかじめWindows 10用WDC-433SU2M2(5GHz専用)ドライバを仮想マシン(HVSW10IPEnt)側にインストールしておきます。

※WDC-433SU2M2(5GHz専用)にはWindows 8.1用のドライバを含むドライバソフトCD-ROMが付属していますがHyper-V Server 2012 R2のリモート管理用PC(32ビット版Windows 8.1 Pro)側にはWDC-433SU2M2(5GHz専用)のドライバはインストールしていません。

(2)Hyper-V Server 2012 R2のリモート管理用PC(32ビット版Windows 8.1 Pro)のUSBポートにWDC-433SU2M2を差し込んで仮想マシン(HVSW10IPEnt)を起動します。
(3)「HVSW10IPEntに接続」ダイアログの「ローカルリソース」画面における[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]に[WDC-433SU2M2]が表示されます。
ここで＜OK＞、＜接続＞の順でボタンをクリックします。

(4)実機でWDC-433SU2M2を使用するのと同様に仮想マシン(HVSW10IPEnt)の中から5GHz/2.4GHz対応の無線LANルータ[親機](I-O DATA WN-AC1167GR)に接続できました。
- 接続先SSIDに対するセキュリティキーの指定
  接続先SSIDとしてのStream48746というのは5GHz/2.4GHz対応の無線LANルータ[親機](I-O DATA WN-AC1167GR)の5GHz専用SSIDのデフォルトの名称です(ちなみにAirPort48746というSSIDは2.4GHz用です)。
  ※この5GHz用のStream48746対してはiPhoneからのWi-Fi接続も可能です。
  
  下記は接続検証中の表示です。
- 接続完了後の様子
BUFFALO WI-U2-300D(5GHz/2.4GHz対応)の場合：仮想マシンで使用不可
BUFFALO WI-U2-300D(5GHz/2.4GHz対応)は上記のELECOM WDC-300SU2S(2.4GHz対応)同様に「HVSW10IPEntに接続」ダイアログの「ローカルリソース」画面における[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]に[WI-U2-300D]が表示されません。
つまりWI-U2-300DはRemoteFX USB デバイス対応ではないということになります。
(当然ながら実機のPC環境のWindows 10 EnterpriseではWI-U2-300D用のドライバやツールを導入することでAirPort48746とStream48746等の接続先の切り替えも簡単にできます)

■ 閑話休題(1)：Windows 10 Enterpriseへの日本語版RSATの導入

2015年11月19日にWindows 10用の「リモートサーバー管理ツール(RSAT：Remote Server Administration Tool）ver 1.1」の日本語版を含む各国語版が公開されました。
Windows 10 Pro Insider Preview Build 10565にはその日本語版RSAT ver 1.1は導入できませんでした(インストール自体は完了してもどこにもservermanager.exeが見当たりません)。
しかしWindows 10 Enterprise Build 10586にはその日本語版RSAT ver 1.1を導入して利用可能です。

日本語版RSAT ver 1.1のダウンロード
https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=45520からWindowsTH-KB2693643-x64.msuをダウンロードします。
日本語版RSAT ver 1.1のインストール
WindowsTH-KB2693643-x64.msuを起動してインストールを開始します。

インストールが完了するとスタートメニューに[サーバマネジャ]が自動登録されますがそれをタスクバーにピン留めしておくと起動が多少楽になるかと思います。
またスタートメニューのWindows管理ツールにはActive Directory関連のものを含む様々なツールが自動登録されます。
サーバマネジャとHyper-Vマネジャの併用
下記はサーバマネジャに登録したHyper-V Server 2012 R2(ホスト名：HVS12R2)にHyper-Vマネジャで接続している様子です。
Hyper-Vマネジャからワークグループ所属のHVS12R2に接続するためにはTrustedHostsへのHVS12R2の追加登録等の設定が必要となりますがそれらの説明はここでは割愛致します。
Windowsタブレット端末からのリモートデスクトップ接続
Windowsタブレット端末(OS：Windows 10)でAdministratorでサインインしてHVSW10IPEntにリモートデスクトップ接続し、そのHyper-Vマネジャから英語版ドメインコントローラ(仮想マシン名：HVSWS16TP3DC)に接続してみました。
当然ながらそのドメインコントローラも普通にタッチパネル操作ができます。

・実寸画像はこちらです。

ついでですが、USBメモリにインストールしたWindows PEをWindowsタブレット端末のブートデバイスとして選択ブートして使用してみました(Windowsタブレット端末で実行中のWindows PEの様子)。
もちろん仮想マシンのLinuxデスクトップについてもWindowsタブレット端末からタッチパネル操作が可能です。

■ 閑話休題(2)：Windows 10 EnterpriseのWindows To GoワークスペースのWindowsタブレットでの利用例

Windows 10 Enterpriseの実機でUSBメモリ(32GB)にWindows 10 EnterpriseのWindows To Goワークスペースを作成してそのWindows To GoワークスペースをWindowsタブレットで利用してみました。
あまりテクニカル的なことはないのでスクリーンショットの紹介に留めておきます。

Windows To Goワークスペースの作成
今回Windows To Goワークスペースの格納用に使用したUSBメモリは32GBの「Kingston DataTraveler Workspace」です。
(1)Windows To Goワークスペースの格納用USBドライブ選択画面
Windows To Goワークスペースの格納用USBドライブは自動的に初期化されるため自前で初期化しておく必要はありません。

(2)Windows 10イメージ(wimファイル)の選択画面
Windows 10 EnterpriseのインストールDVD中のWindows 10イメージを選択します。

(3)Windows To Goワークスペースの作成準備完了

ここで＜作成＞ボタンをクリックするとUSBメモリが初期化されてWindows To Goワークスペースが作成されます。

(4)Windows To Goワークスペースの作成中の様子

作成時間はマシン性能にも依存しますが今回は5～6分でした。
WindowsタブレットでのWindows To Goワークスペースのセットアップ
Windows To Goワークスペースを格納したUSBメモリをWindowsタブレットにセットしてそのUSBメモリ(Kingston DT Workspace)からブートします。

(1)「こんにちは」画面での言語設定等
Windowsセットアップ画面相当の本「こんにちは」画面ではデフォルトのままでOKです。
セットアップ中のキーボードは英語キーボード扱いですがセットアップを終えて再起動すると日本語キーボードとなります。

(2)ライセンス条項への同意

(3)「接続する」画面でのWi-Fi接続先の選択
(4)「すぐに使い始めることができます」画面で[簡単設定を使う]を選択します。
(5)自動再起動
自動再起動時もブートデバイスの選択画面が出るように操作してUSBメモリからブートさせます。
(6)「接続方法を選択する」画面では[ドメインに参加する]を選択します。
※ここで[ドメインに参加する]を選択してもインストール中はドメインへの参加操作はできないためインストール完了後はデフォルトの「WORKGROUP」というワークグループに属することになります。
(7)アカウント設定
(8)アプリのセットアップ後にデスクトップが表示されます。

(9)Windows To Goワークスペースにはストアがありません。

(10)USBドライブでなくてもUSB LANアダプタ等の抜き差しの際にも以下のダイアログが出ることがあります。
相互のデータ保護有無について
Winodwsタブレット側とWindows To GoワークスペースのUSBメモリ側の相互のデータ保護有無については以下のようになります。
(1)Winodwsタブレット側からWindows To GoワークスペースのUSBメモリへの読み書きは可能です(ドライブ文字の割り当てが必要)。
(2)Windows To Goワークスペース側からWinodwsタブレット側のドライブについては[ドライブ文字とパスの変更]がグレイアウト表示されてドライブ文字自体の割り当てができませんのでデータ参照さえも行えません。
Windows To GoワークスペースでのHyper-Vマネジャの使用
Windows To GoワークスペースにHyper-V管理ツールをインストールしてWindows 10 EnterpriseをゲストOSとする仮想マシンを操作してみました。

・実寸画像はこちらです。
Windows To GoワークスペースへのWindowsタブレット用ドライバのインストール(任意)
Windows To Goワークスペースを起動しただけではWindowsタブレット固有のデバイスに対するドライバは自動的にはインストールされません。
当然ながら画面の自動回転や画面のタッチ操作などもできません。
まずチップセット用のドライバ群をまとめてインストールしてから、Windowsタブレットの開発元サイトから各種ドライバ(センサードライバ等)をダウンロードしてインストールします(インストールのタイミングは自由です)。
それらのドライバをインストールしなければタブレット固有の機能は使えませんが小型ノートPCとしてはほぼ問題なく使用できるはずです。
※Windowsタブレットの開発元が公開しているドライバはそのWindowsタブレットにプリインストールされているOS対応のものであり通常プリインストール対象外OSであるWindows 10 Enterpriseについては何の保証もありませんが...。

(1)下記はWindowsタブレットの「GPSドライバ」を組み込んだ例です。

(2)下記はWindowsタブレットの要とも言えるタッチパネル操作ができるようにタッチパネルドライバを組み込んだ例です。

(3)下記はWindows To GoワークスペースにWinodwsタブレット用ドライバを組み込んで簡単にタッチパネル操作もできるようになったWindows 10 Enterpriseのデスクトップ例です。
画面自動回転も問題なく機能しており、Internet Explorerについては標準の最大拡大表示(400%)を超えて二本指でピンチアウトしてみました。
画面右下にはタッチパネル長押しのマークも表示されています。

・実寸画像はこちらです[1200x1920]。

・Fedora 20の仮想マシン内のQEMU環境でのWindows 3.1をタッチパネルで操作してみました。

・Intel SST Audio Device (WDM)のドライバ更新でサウンド再生もできるようになります(サウンド再生例[1200x1920])。

・カメラ機能も問題なく使用できます(タッチ操作で撮影することができてその撮影画像はカメラロールに格納されます)。

(4)下記はWindows 10 EnterpriseのWindows To GoワークスペースでのHyper-VマネジャでFedora 20の仮想マシン内のEye of MATEアプリで表示した画像をタッチパネル上で一本指でドラッグ操作している様子です。

(5)Windows 10 Enterprise Build 10586においてWindowsタブレット対応化された箇所が随所に見られるようになります。
下記はその一例です(もちろん市販のスマートフォン用のタッチペンでの操作も可能です)。
- コントロールパネルに追加された[タブレットPC設定]
- 追加された[回転ロック]
- スタートボタンの右クリックメニューに追加された[モビリティセンタ]
- 充実した「はじめに」画面
(6)Hyper-V Server 2012 R2環境のWindows 10 Enterprise(64ビット版)仮想マシンへのリモートデスクトップ接続
Winodwsタブレット上のWindows To GoワークスペースからHyper-V Server 2012 R2環境の64ビット版Windows 10 Enterprise仮想マシン(HVSW10IPEnt)にリモートデスクトップ接続してみました。
Hyper-V Server 2012 R2環境の64ビット版Windows 10 Enterprise仮想マシンを単独で実行させている場合はその「システム」画面の[ペンとタッチ:]欄には「このディスプレイでは、ペン入力とタッチ入力は利用できません」と表示されますが、タッチパネルが使用可能なWinodwsタブレット上のWindows To Goワークスペースからリモートデスクトップ接続した場合は接続先の「システム」画面の[ペンとタッチ:]欄には「10タッチポイントでのペンとタッチのサポート」と表示されます(実際、Winodwsタブレット上のWindows To Goワークスペースからリモートデスクトップ接続したWindows 10 Enterprise(64ビット版)仮想マシンに対しては通常のタッチパネル操作が普通に行えます)。

(7)HDMIディスプレイ接続
通常のWindowsタブレットはHDMI接続ができるようになっています。
WindowsタブレットからHDMIミニコネクタを介して24インチディスプレイに接続してみました。

他のデバイスからWindowsタブレット上のWindows To Goワークスペースへのリモートデスクトップ接続
Windows To Goワークスペースにおいてリモートデスクトップ接続の許可設定を行い他のデバイスからリモートデスクトップ接続してみました。
Windows To Goワークスペース側の[設定]-[電源とスリープ]をデフォルト状態にしておくとリモートデスクトップ接続が一定時間経過後に自動切断されることがありますので[電源とスリープ]で適切な設定に変更しておきます。

PCからのリモートデスクトップ接続
PCのWindowsからWindowsタブレット上のWindows To Goワークスペースにリモートデスクトップ接続してみました。

・実寸画像はこちらです。
iPad miniからのリモートデスクトップ接続
iPad miniのRD ClientからWindowsタブレット上のWindows To Goワークスペースにリモートデスクトップ接続してみました。
RD Client ver. 8.1.7からはコンピュータ名(NetBIOS名)指定で接続できるようになりました。
タブレット端末(iPad mini)からWindowsタブレット端末にリモートデスクトップ接続してみると自然なタッチパネル操作ができるためiPad用Windowsでも使っているような錯覚に陥ります。

ついでにiPad miniからHyper-V Server 2012 R2環境の64ビット版Windows 10 Enterprise仮想マシン(HVSW10IPEnt)にリモートデスクトップ接続してみました。
リモートデスクトップ接続先の「システム」画面の[ペンとタッチ:]欄には「10タッチポイントでのペンとタッチのサポート」と表示されます(実際、リモートデスクトップ接続したWindows 10 Enterprise(64ビット版)仮想マシンに対しては通常のタッチパネル操作が普通に行えますが画面の自動回転はできません)。

■ 閑話休題(3)：Windowsタブレット対応化したWindows 10 EnterpriseのWindows To GoワークスペースのP2V化利用

Windowsタブレット対応のドライバを導入してWindowsタブレットに完全対応化した32ビット版Windows 10 EnterpriseのWindows To Goワークスペース(USBメモリ)を仮想ハードディスク化してHyper-V Server 2012 R2環境で実行してみました(P2V化)。
下記はその手順例です。

Windows To Go ワークスペースのUSBメモリからの仮想ハードディスク作成
QEMU付属のqemu-imgコマンドでWindows To Go ワークスペース(USBメモリ)から仮想ハードディスクファイルを作成できます。
Linux(ここではUbuntu 14.04)の場合は次のようなコマンドでWindows To Go ワークスペース(USBメモリ)から仮想ハードディスクファイルを作成できます。
※下記のコマンドはWindows To Go ワークスペース(USBメモリ)が/dev/sdbとなる場合の例です。

$ sudo qemu-img convert -f raw -O vpc /dev/sdb w10entx86wtgp2v.vhd

ここで作成したw10entx86wtgp2v.vhdをHyper-V Server 2012 R2環境に転送しておきます。
P2V用仮想マシンの定義
- 仮想マシンの名前：ここでは「HVSW10Ex86WTGP2V」としました。
- 仮想マシンの世代：第1世代
- 起動メモリ：2048MB
- ネットワークの構成での接続：仮想スイッチ1(外部接続用スイッチ)
- [既存の仮想ハードディスクを使用する]：on
  場所欄にはHyper-V Server 2012 R2環境に転送された上記のw10entx86wtgp2v.vhdのパスを指定します。
P2V仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)の起動
(1)P2V仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)を最初に起動すると「デバイスを準備しています」画面が表示されます。
(2)Microsoftアカウントでサインインします。
(3)必要に応じてコンピュータ名を変更します(今回はNetBIOS名の15文字以内という長さ制限を超えて16文字のHVSW10Ex86WTGP2Vにしました)。
P2V仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)のデスクトップ
(1)デバイスマネジャにおいて「不明なデバイス」表示はありませんが、「センサー」には「Kionix Sensor Fusion Device(画面自動回転関連のセンサーデバイス)」が消えずに残ったままになっています。
それ以外のWindowsタブレット固有のデバイス情報は一切表示されません。
(2)Windows To Go ワークスペースでHyper-Vマネジャを起動して64ビット版Windows 10 Enterprise仮想マシンを起動してみました。

・実寸画像はこちらです。

■ 閑話休題(4)：Windows 10 Enterprise(Build 10586)のNested Virtualization動作確認

2015年10月12日に公開されたWindows 10 Insider Preview Build 10565のクライアントHyper-VでNested Virtualization機能がリリースされました。
更に2015年11月20日に公開されたWindows Server 2016 Technical Preview 4(TP4)のHyper-VでNested Virtualization機能がリリースされました。
ここではWindows Server 2016 TP4やWindows 10 Enterpriseを実Hyper-Vホストとする環境でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualization動作確認をしてみました。
今回動作確認したネスト構成は以下の通りです。

パターン１
パターン１でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りです。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	WS16TP4HVHOST	OS = Windows Server 2016 TP4
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10IPEnt	HVSW10IPEnt	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSW10Ex86WTGP2V	HVSW10Ex86WTGP2V	OS = 32ビット版Windows 10 Enterprise (Windowsタブレット対応化したWindows 10 Enterpriseの Windows To GoワークスペースのP2V仮想マシン)

(1)Hyper-V Server 2012 R2環境で作成した仮想マシン(HVSW10IPEnt)のエクスポート結果をNested Virtualization動作確認の実Hyper-Vホスト(WS16TP4HVHOST)側に転送します(今回の転送先：C:\temp)。
(2)エクスポートされた仮想マシン(HVSW10IPEnt)を実Hyper-Vホスト(WS16TP4HVHOST)側にインポートします。
(3)実Hyper-Vホスト(WS16TP4HVHOST)側のPowerShellにて以下のコマンドレットを実行して仮想マシン(HVSW10IPEnt)がNested Virtualization機能を利用できるようにします。

PS ... > cd c:\temp
PS C:\temp > .\Enable-NestedVM.ps1 -VmName "HVSW10IPEnt"

(4)Nested Virtualization機能が使用可能になった仮想マシン(HVSW10IPEnt)を起動してHyper-Vの全コンポーネントを導入します(仮想Hyper-Vホストになります)。
更に仮想スイッチも定義します。
(5)Hyper-V Server 2012 R2環境で作成した仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)をエクスポートしてそのフォルダを仮想Hyper-Vホスト(HVSW10IPEnt)側に転送します。
(6)エクスポートされた仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)を仮想Hyper-Vホスト(HVSW10IPEnt)側にインポートします。
(7)仮想Hyper-Vホスト(HVSW10IPEnt)上の仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)を起動してみます。
下記はこのパターン１でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です。

・実寸画像はこちらです。

パターン２
パターン２でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りです。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10IPEnt	HVSW10IPEnt	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSW10Ex86WTGP2V	HVSW10Ex86WTGP2V	OS = 32ビット版Windows 10 Enterprise (Windowsタブレット対応化したWindows 10 Enterpriseの Windows To GoワークスペースのP2V仮想マシン)

下記はこのパターン２でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です。

パターン２のNested Virtualization環境でのRemoteFX USBデバイスリダイレクトのネスト：不可
パターン２のNested Virtualization環境において「iPhoneをRemoteFX USBデバイスリダイレクトでネスト化させる」ことを試してみましたが結果的には「RemoteFX USBデバイスリダイレクトのネストは不可」となりました。
- 前提条件
  (1)実Hyper-Vホストの64ビット版Windows 10 Enterpriseにおける「ローカルグループポリシーエディタ」での[サポートされている他の RemoteFX USB デバイスの、このコンピューターからの RDP リダイレクトを許可する]の[有効]化及び再起動：済み
  (2)第1レベルの仮想Hyper-Vホストの64ビット版Windows 10 Enterpriseにおける「ローカルグループポリシーエディタ」での[サポートされている他の RemoteFX USB デバイスの、このコンピューターからの RDP リダイレクトを許可する]の[有効]化及び再起動：済み
- 実Hyper-Vホスト(W10EHVHOST)にiPhoneをUSB接続
- 第1レベルの仮想Hyper-Vホスト(HVSW10IPEnt仮想マシン)の起動
- 「HVSW10IPEntに接続」でのローカルリソース画面では[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]で[Apple Mobile Device USB Driver]を選択して接続
- HVSW10IPEnt仮想マシンではApple Mobile Device Ethernetが使用可能
- 第1レベルの仮想Hyper-Vホスト(HVSW10IPEnt仮想マシン)の中で末端仮想マシンのHVSW10Ex86WTGP2Vを起動
- 「HVSW10Ex86WTGP2Vに接続」でのローカルリソース画面では[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]が表示されません
  結局、ネストされたHVSW10Ex86WTGP2V仮想マシンではApple Mobile Device Ethernetを使用できないことが分かりました。
  ちなみにネストされたHVSW10Ex86WTGP2V仮想マシンでサウンド再生させると実Hyper-Vホスト側のスピーカから音が出てくるのでサウンド再生のネストについては問題ありません。
- 第1レベルの仮想マシンと第2レベルの仮想マシンの間でのiPhone(ポータブルデバイス)共用化
  第1レベルの仮想マシン(HVSW10IPEnt)から第2レベルの仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)へのiPhoneのRemoteFX USBデバイスリダイレクトはできませんでしたが、第1レベルの仮想マシン(HVSW10IPEnt)と第2レベルの仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)との間でiPhoneをポータブルデバイスとして同時使用することは可能です。
  以下にその手順例を紹介します。
  - 第1レベルの仮想Hyper-Vホスト(HVSW10IPEnt仮想マシン)の起動
  - 「HVSW10IPEntに接続」でのローカルリソース画面では[その他のサポートされているプラグアンドプレイ(PnP)デバイス](Apple iPhone含む)と[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]の両方をonにして接続します。
    尚、[その他のサポートされているプラグアンドプレイ(PnP)デバイス](Apple iPhone含む)をoffにして[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]だけonにして接続した場合はHVSW10IPEnt仮想マシンの中でApple iPhoneをポータブルデバイスとして使用することはできなくなります(必要なドライバを読み込めないというエラーになります)。
  - 第2レベルの仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)の起動
  - 「HVSW10Ex86WTGP2Vに接続」でのローカルリソース画面では[その他のサポートされているプラグアンドプレイ(PnP)デバイス](Apple iPhone含む)をonにして接続します。
  - 第1レベルの仮想マシンと第2レベルの仮想マシンの間でiPhoneをポータブルデバイスとして共用している様子；

パターン３
パターン３でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りです。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10IPEnt	HVSW10IPEnt	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSWS16TP4DM	HVSWS16TP4DM	OS = Windows Server 2016 TP4 (mydomain.netというドメインのメンバー)

下記はこのパターン３でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です。

パターン４
パターン４でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りで仮想Hyper-Vホスト自体もネストさせています。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML1b	HVSW10EVML1b	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第2レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10IPEnt	HVSW10IPEnt	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSW10Ex86WTGP2V	HVSW10Ex86WTGP2V	OS = 32ビット版Windows 10 Enterprise (Windowsタブレット対応化したWindows 10 Enterpriseの Windows To GoワークスペースのP2V仮想マシン)

下記はこのパターン４でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です(ここまで多重にネストさせても末端仮想マシンは軽快に動作しています...)。

・実寸画像はこちらです。

パターン５
パターン５でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りで仮想Hyper-Vホスト自体の三重ネスト例です。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML1	HVSW10EVML1	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第2レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML2	HVSW10EVML2	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第3レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10IPEnt	HVSW10IPEnt	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSW10Ex86WTGP2V	HVSW10Ex86WTGP2V	OS = 32ビット版Windows 10 Enterprise (Windowsタブレット対応化したWindows 10 Enterpriseの Windows To GoワークスペースのP2V仮想マシン)

このパターン５では末端仮想マシン(HVSW10Ex86WTGP2V)の起動が完走せず、起動と強制停止をを何度か繰り返しているうちに回復できないエラーとなりました。

いろいろな設定変更で試してみましたが末端仮想マシンでのサインイン画面から先に進めることはできませんでした。

末端仮想マシンの拡張セッションへの接続

・実寸画像はこちらです。
第2レベルの仮想Hyper-Vホストの高いCPU利用率
この時点での第2レベルの仮想Hyper-VホストのCPU使用率は48%になっています。
末端仮想マシンを何度か起動し直してのサインイン画面でフリーズ
末端仮想マシンとしてUbuntu 14.04 x86 Live版の実行ではフリーズなし

・実寸画像はこちらです。

パターン６
パターン６でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りです。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML1	HVSW10EVML1	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第2レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML2	HVSW10EVML2	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第3レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML3	HVSW10EVML3	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSW10EVML4	HVSW10EVML4	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise

下記はこのパターン６でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です。

・実寸画像はこちらです。

パターン７
パターン７でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りです。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML1	HVSW10EVML1	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第2レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML2	HVSW10EVML2	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第3レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML3	HVSW10EVML3	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
末端仮想マシン	HVSWS16TP4	HVSWS16TP4	OS = 64ビット版Windows Server 2016 TP4

下記はこのパターン７でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です(末端仮想マシンはWindows Server 2016 TP4でフリーズすることなく動作しています)。

・実寸画像はこちらです。

パターン８
パターン８でのNested Virtualization環境のネスト構成は以下の通りです。
(Windows 10 Enterpriseの4多重化＋Windows Server 2016 TP4の2多重化)
※Windows ServerのHyper-V Hypervisorを持つ各仮想Hyper-Vホストがそれぞれ独立したHyper-Vコンテナ(Hyper-Vでの仮想マシン実行環境)となります。

ホスト種別	仮想マシン名	ホスト名	備考
実Hyper-Vホスト	-	W10EHVHOST	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第1レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML1	HVSW10EVML1	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第2レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML2	HVSW10EVML2	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第3レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSW10EVML3	HVSW10EVML3	OS = 64ビット版Windows 10 Enterprise
第4レベルの仮想Hyper-Vホスト (仮想マシン)	HVSWS16TP4	HVSWS16TP4	OS = 64ビット版Windows Server 2016 TP4
末端仮想マシン	HVSWS16TP4N	HVSWS16TP4N	OS = 64ビット版Windows Server 2016 TP4

下記はこのパターン８でWindows 10 EnterpriseのNested Virtualizationを動作させているデスクトップの様子です。

・実寸画像はこちらです。

■ 仮想マシンからRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してApple Mobile Device Ethernetを動作させる手順例(その２：Windowsタブレット上のWindows 10 Enterpriseからの仮想マシン起動)

前提条件
(1)RemoteFX USBデバイスリダイレクト機能の適用仮想マシンは上記のHVSW10IPEntで、ゲストOSはWindows 10 Enterprise Build 10586(64ビット版)です。
(2)ここでのRemoteFX USBデバイスリダイレクトの対象デバイスはiPhoneだけとします。
(3)iPhoneはWindowsタブレット対応化したWindows To GoワークスペースのWindows 10 Enterprise Build 10586(32ビット版)に接続しておきます。
Windowsタブレット対応化したWindows To GoワークスペースでのRemoteFX USBデバイスリダイレクトの有効化設定
(1)Windows To Goワークスペースでローカルグループポリシーエディタ(gpedit.msc)を起動します(gpedit.mscはHome版には存在しません)。
(2)「ローカルグループポリシーエディタ」の[コンピュータの構成]-[管理用テンプレート]-[Windowsコンポーネント]-[リモートデスクトップサービス]-[リモートデスクトップ接続のクライアント]-[RemoteFX USBデバイスリダイレクト]をポイントします。
(3)その右側に[サポートされている他の RemoteFX USB デバイスの、このコンピューターからの RDP リダイレクトを許可する]が表示されますが「状態」が[未構成]のままになっています。これを[有効]に変更してリブートします(ここでのリブートは必須です)。
※必要に応じてアクセス権を[管理者のみ]から「管理者とユーザ」に変更しておきます。
Windows To GoワークスペースのHyper-Vマネジャから仮想マシン(HVSW10IPEnt)の起動
「HVSW10IPEntに接続」ダイアログでのRemoteFX USBデバイスリダイレクト対象デバイス[Apple Mobile Device USB Driver (Apple iPhone)]の選択

※HVSW10IPEntへのリモートデスクトップ接続の場合もローカルデバイスとリソース画面での[その他のサポートされているRemoteFX USB デバイス]に[Apple Mobile Device USB Driver (Apple iPhone)]は表示されますがRemoteFX USBデバイスリダイレクト自体がなされないためリモートデスクトップ接続先仮想マシンの中からiPhoneを使用することはできません(リモートデスクトップ接続先仮想マシンの中からリモートオーディオを介してサウンド再生したりタッチパネル操作することは可能です)。
iPhone側で[インターネット共有]：オフ→オンにします
HVSW10IPEnt側操作
(1)デバイスマネジャのネットワークアダプタに[Apple Mobile Device Ethernet]が表示されます(今回は「Apple Mobile Device Ethernet #2」表示)。
(2)ipconfigでそのIPアドレスがDHCPによって172.20.10.xxになることが確認できます。
(3)「システム」画面の[ペンとタッチ:]欄には「10タッチポイントでのペンとタッチのサポート」と表示されます(実際、Winodwsタブレット上のWindows To Goワークスペースから起動したWindows 10 Enterprise(64ビット版)仮想マシンに対しては通常のタッチパネル操作が普通に行えます)。
(4)Apple Mobile Device Ethernetを利用したデスクトップ例

・実寸画像はこちらです(タブレットを縦に回転させた様子)。