Hyper-V Server 2012 R2環境でのWindows 3.1の起動方法

Hyper-V Serverの仮想マシンでWindows 3.1をインストールすることはできません(インストール中に必ずインストーラがフリーズします)。
そこでHyper-V Server以外の仮想マシン環境で動作していたWindows 3.1の仮想ディスクをHyper-V Serverの仮想マシンで使用してみました。
結果は以下の通りです。
(1)i386以上のCPUを搭載したPCの場合、CONFIG.SYSの指定内容に関係なくスイッチ指定のない「win」コマンドではWindows 3.1は自動的に386 Enhanced Mode(エンハンスドモード)で起動されます。
しかしHyper-V ServerはVirtual PC 2007やWindows Virtual PCなどと違って「386 Enhanced Mode(エンハンスドモード)」をサポートしていません。
このためスイッチ指定のない「win」コマンドでWindows 3.1を起動しようとするとWindows 3.1のスプラッシュ画面(ロゴ画面)が出た直後にブラックスクリーン上でカーソルが点滅する状態になります(この時のCPU利用率は12%)。
(2)MS-DOSからWindows 3.1を強制的にStandard Mode(スタンダードモード)で起動させるには「win /s」というようにスイッチ「/s」を指定します。
※winコマンドで指定できるスイッチの種類は「win /?」で確認できます(/b指定でのブートログはC:\WINDOWS\BOOTLOG.TXTに格納されます)。
(3)英語版Windows 3.1も日本語版Windows 3.1も共にHyper-V仮想マシンでは「win /s」でWindows 3.1のデスクトップを表示できます。
(4)Windows 3.1起動後、キーボード操作はできますがマウス操作はできません。
(5)Windows 3.1起動後必ずと言っていいくらいあっという間にフリーズします(テキパキとキーボード操作をすることが重要ポイントとなります)。
(6)LAN ManagerのTCP/IP環境を導入したWindows 3.1ではTelnetアプリなどのWindowsアプリケーションは動作しませんがMS-DOSプロンプトでのインターネット接続(ping接続)は可能です。

今回使用したPCのハードウェア/ソフトウェア構成は以下の通りです。



■ Hyper-V Server仮想マシン環境での英語版Windows 3.1の起動と利用



■ Hyper-V Server仮想マシン環境での日本語版Windows 3.1の起動と終了



■ 補足:Virtual PC 2007仮想マシン環境での英語版Windows 3.1のStandard Modeでの起動について

Virtual PC 2007仮想マシン環境でMS-DOSからスイッチ指定のない「win」コマンドを実行すると386 Enhanced ModeでWindows 3.1が起動されます。
その「win」を「win /s」に変更するとStandard ModeでWindows 3.1が起動されます。
Virtual PC 2007仮想マシン環境においてStandard Modeで起動されたWindows 3.1には以下の特性があります。
(1)マウスは使用できます。
(2)Tera TermNetscape CommunicatorなどTCP/IP利用アプリを使用すると仮想マシンがフリーズします。
(3)MS-DOS Promptを起動するとフルスクリーンのMS-DOS Promptにゴミが表示され仮想マシンがフリーズします。
(4)場合によっては書き込み禁止モードとの関係でWord等のアプリケーションをStandard Modeで実行する場合はMS-DOSで「c:\dos\share.exe」を実行してから「win /s」でWindowsを起動しておく必要があります(これは日本語版Windows 3.1でのWord利用例)。
※Standard Modeでのメモ帳については「c:\dos\share.exe」を実行していなくてもローカルディスクへのファイル保存は可能です。