iPhoneからChromecastへのミラーリング機能利用


Chromecast自体にはアプリをインストールすることはできません。
iPhoneにインストールしたTVerにはPrime Videoと違って「デバイスにキャスト」する機能はありませんがChromecast接続TVで視聴したいケースもあると思います。
更にiPhoneの「写真」アプリにある画像・動画を利用したBGM付きスライドショーをChromecast接続TVで視聴したいというニーズもあるかと思います。
もっと欲張って1台のiPhoneで2台のTVにPrime VideoとTVerの動画を同時に映るようにしたいというケースもあるかも知れません。
これらのニーズはiPhoneからChromecastへのミラー機能によって叶えることができます。

ここではiPhoneからChromecastへのミラーリング機能の利用手順をご紹介します。

  1. 環境
    ・スマホ:iPhone 8 Plus
    ・スマホの主たるアプリ:「Chromecast」(Streamer for Chromecast)アプリ
    ・セットトップボックス:Chromecast UltraとFire TV Stick 4K(AirPlay対応化用のAirReceiver:インストール済)の同居でスマホと同じWi-Fiネットワークに接続済
    ※1 当方の環境ではFire TV Stick 4Kのデバイス名はデフォルトの「XX's Fire TV」と「AFTMM-18」(AirReceiver組み込み版の仮想デバイス名)とします。
    ※2「Chromecast」アプリからはAdvancedモード,Standardモード共に「XX's Fire TV」に接続することはできません。
    ・TV:普通のテレビ(非スマートTV/AndroidTVを内蔵していないTV)

  2. 今回利用する主たるメディア

  3. 「Chromecast」(Streamer for Chromecast)アプリのアップグレード
    無償の「Chromecast」アプリではそのミラーリングで音を出せない場合があります。
    そこでミラーリングで音を出すために「Chromecast」アプリを有償でアップグレードします。
    「Chromecast」アプリをアップグレードするとミラーリングで「Advanced Mode」(拡張モード)オプションが使用できて音の出力も可能となります。
    以下、アップグレードした「Chromecast」アプリも単に「Chromecast」アプリと呼ぶことにします。

  4. 「Chromecast」アプリのAdvancedモードでのChromecast Ultraへのミラーリング手順

  5. 「Chromecast」アプリのAdvancedモードでのFire TV Stick 4Kへのミラーリング手順
    「Chromecast」アプリはChromecastデバイス専用のアプリではなくAirReceiverを組み込んでAirPlay対応可したFire TV Stickにも利用できます。

  6. 「Chromecast」アプリのStandardモードでのChromecast Ultraへのミラーリング手順

  7. 「Chromecast」アプリのStandardモードでのFire TV Stick 4Kへのミラーリング手順
    ミラーリング手順やアプリのミラーリングのされ方は一部を除いてStandardモードでのChromecast Ultraへのミラーリングと同じです。
    Chromecast Ultraへのミラーリングとの違い/補足は以下の通りです。
    (1)「Chromecast」アプリでの接続先は[AFTMM-18]となります。
    (2)「画面のブロードキャスト」画面に経過時間と共に表示されるデバイス名は「Chromecast」のままです(ここは実際のデバイス名が表示されるものではないようです)。
    (3)「写真」アプリの動画、スライドショーでの動画、ホームビデオの動画等多くの動画で映像の劣化が目立ちます。
    映像の劣化は縮小画像ではちょっと分かりにくいですがTVの実映像ではその劣化は顕著です。
    下記画像はFire TV Stick 4Kへの横長動画のミラーリングでAdvancedモードとStandardモードの両方で動画停止状態でのTV表示画像です。
    Advanced(iPhoneは縦向き) Standard(iPhoneは横向き)



    (Advancedモードより画質劣化)

  8. 「Chromecast」アプリのAdvancedモードの個人的見解
    アップグレード前の「Chromecast」アプリの導入直後にたまたまミラーリング時の「ミュージック」アプリの再生を行ってみました。
    「Mode:Standard」で「Sound:オン」にしてもTVから音が出てきませんでした。
    今回はアップグレード後にStandardモードをテストしたためアップグレード前のStandardモードの動作が完全に再現できているかどうかの判断はできませんが、
    Standardモードでのミラーリングで音の問題は特にありませんでした。
    元々アップグレード前のStandardモードでもChromecastとiPhoneを再起動すれば音が出ていたのかも知れません。
    そういう状況の元で目にしたのが「Chromecast」アプリのアップグレード情報でした。
    そのアップグレード情報の中で目玉機能のようなものがいくつかありました。

    1台のiPhoneからキャスティングとミラーリングの同時使用ができるので、例えば目次用と本編説明用の2台のプロジェクターに接続してプレゼン等もできます。
    但し、Chromecast (Ultra)の背景画像表示までの時間は20分ですので目次をキャストしたまま20分経過すると背景画像に変わってしまう点は要注意ですが...。
    更に1台のiPhoneから複数のプロジェクターに別々のアプリで同時キャスティングできることもプレゼン等に便利です。
    例;
  9. 「Chromecast」アプリでの不思議な現象
    「Chromecast」アプリで動画のミラーリング中にいろいろ操作している際にTV側にAirPlayモード表示が出てきてしまいました。
    (当然ながらAirPlayモード表示の画像・動画をミラーリングしている訳ではありません)


  10. ミラーリングでの動画拡大表示サポートアプリのご紹介
    上記で紹介した「Chromecast」アプリでもミラーリング中の動画を拡大表示することは可能です。
    但し、動画再生中にiPhone側にAirPlayモード表示(「このビデオはAirPlayを使用してTVで再生中です」)が出てくるためiPhone画面を見ながらの動画拡大操作は困難です。
    (AirPlayモード表示はその動画の最初の再生中に一時停止した場合の再開、または繰り返し再生の際に出てきます)

    (「TV」アプリではデバイス名(例えばMirascreen)付きAirPlayモード表示になったりします)
    しかしiPhone側の動画再生画面を見ながらTVに表示される動画を拡大操作し易いアプリがあります。
    そのアプリはミラーリング機能に特化した「Replica」アプリ(正式名:画面ミラーリング Chromecast)というアプリです。
    「Replica」アプリは動画のミラーリング中にAirPlayモード表示がなされません。
    (「Replica」アプリではその動画の最初の再生中に一時停止した場合の再開、または繰り返し再生の際にもAirPlayモード表示は出てきません)
    そのためiPhone側での動画再生画面を見ながらの動画拡大操作が簡単に行えます。
    その動画拡大操作手順例は以下の通りです。
  11. おまけ:NHKプラスの大型スクリーン表示
    2020年4月からNHKプラス(NHK総合、Eテレ番組の配信サービス)が正式に開始されました。
    そこでNHKプラスの大型スクリーン表示について簡単にご紹介します。
    講習会等でプロジェクターを使用する場合は、ノートPCをプロジェクターに接続してNHKプラスの番組画面をフルスクリーン表示すればOKです。
    (音声についてはプロジェクターごとに対応が異なってきます)
    家庭ではノートPC/タブレットPCとTVをHDMI接続してNHKプラスの番組画面をフルスクリーン表示するだけで済みます。

    NHKプラスはAirPlay/Miracast等のミラーリングやWeb動画キャスティングには対応していません。
    (ミラーリングの仕方にもよりますが基本的にTV側では音声は出ますが映像は流れません)
    これについてはマピオンニュース(https://www.mapion.co.jp/news/column/cobs2030611-1-all/)において以下の記載があります。
    なお、NetflixやYouTubeのアプリはホームネットワークに接続しているスマートテレビにWi-Fi経由でキャスト出力できますが、
    NHKプラスは有線ケーブルによる出力も含めて、テレビやチューナー非搭載のモニターで視聴できないように設計されています。
    以下、補足です。

    しかしどうしても大型スクリーン(大型TVやスピーカー付きプロジェクター)でのNHKプラス視聴を可能にしたいというケースもあるかと思います。
    実際にはテレビやチューナー非搭載のモニターでNHKプラスを全画面表示させる方法があるのです。
    それはテレビやチューナー非搭載のモニターに接続するSTB(Set Top Box:例えばFire TV Stick等)でWebブラウザを使う方法です。
    その方式ならNHKプラスの制約には抵触しません。
    但し、「NHKインターネットサービス利用規約」で公表している稼働確認の範囲外となることはご理解下さい。
    ここではFire TV Stickを使用してNHKプラスの配信動画を大型スクリーンに全画面で映し出す方法の一例をご紹介します。
    ここで使用するアプリは「amazon silk」ブラウザ(Silk Browser)です。
    Firefoxブラウザについては、iPhone用のFirefoxではNHKプラスを視聴できますが、
    Windows, Linux, Fire TV Stick等のプラットフォームでは未対応のようです。
    また大型スクリーンに接続するSTBの種類やWebブラウザの違いによっては地域エラーとなる場合があります。

    「amazon silk」ブラウザを使用してFire TV Stick接続大型スクリーンにNHKプラスの配信動画を表示する手順は以下の通りです。
    以上です。