Windows XP

Windows XPの製品パッケージが2001年11月16日にリリースされました。
(Windows XP(OEM版)のプレインストールマシンはその一ヶ月位前から販売されていました)
Windows XPの別名はWindows NT 5.1 Workstationです(後述)。

マイクロソフト社の説明によるとWindows XPは「Windows 95以来の大きなバージョンアップ」と言われています。
この「Windows 95以来の大きなバージョンアップ」というのは何を意味するのでしょうか。
個人的な見方をすればWindows 3.1からWindows 95に変った程の大きな変化はないけれども、
・Windows 95から98->98SE->Meという段階的変化や
・Windows NT 4.0 WorkstationからWindows 2000 Professionalへのちょっとした変化に比べれば
Windows Me/Windows 2000 ProfessionalとWindows XPの間には比較的大きな変化があるということかと思います。

Windows Meからの大きな変化はやはりNTカーネル上にMeの機能+αが追加されたということだと思います。
またWindows 2000 Professionalからの大きな変化は、今までWindows 2000 Server系でしか使えなかったターミナルサービスの簡易版としてのリモートデスクトップ機能がWindows XP Professionalに新たに搭載されたことなどではないでしょうか。

またすぐに目につく新GUIについても初心者レベルでも従来のNTカーネル系OSを手軽に使えるようにしたという意味で大きな変化の一つと考えられます。
(但し、どこまでが新GUIの範疇なのかはちょっとはっきりしませんが)

Windows 2000 ProfessionalユーザがWindows XP Professionalの新機能を探るには外観をWindows 2000 Professional並みのクラシックモード(更にはアニメーション効果などを無効にするパフォーマンス優先モード)にして使ってみるのがよいかと思います。
それによって新GUIや外観の変化に惑わされずに新機能(ドライバのロールバック、ユーザの簡易切り替え、リモートデスクトップリモートアシスタンス等)を冷静に探ることができるかのではないでしょうか。
(その方がどこまでが新GUIの範疇なのかもついでに見えてくるのではないかと思います)

新機能を探ってみて結果として日常よく使うもので「これは便利になった!」というものはあまり発見できず、Windows XPはWindows 2000 Professional SE(Second Edition)に過ぎないと感じる人もいるかも知れません。
(ブート時間が短縮されましたがそれはさほど大きなメリットでもないでしょう)

またパソコンを何人かで共用しないで一人だけで使うのであればユーザの簡易切り替え機能も不要と判断する人もいるでしょう。

Windows XPに対する考え方にはかなり個人差が出てくるとは思いますが、とりあえずここでは新GUIや外観を含めてWindows XPの環境をざっくり紹介してみます。


(1)起動画面

Windows XPを起動すると次の画面が表示されます。




(2)開始画面

開始画面ではユーザ一覧が表示され、ここでログオン操作を行います。




Windows XPのインストール過程ではユーザ登録画面が出てきますが最低でも1ユーザは登録しなければなりません。
この制限はユーザ登録画面ではちょっと分かりづらいところがあります。
というのは最初のユーザ登録画面ではその制限事項が画面表示されておらず、1ユーザも登録せずに「次へ」ボタンを押した時に再度ユーザ登録画面に戻った時点ではじめて黄色の文字で「・少なくとも名前を1つ入力する必要があります。」と表示される仕様になっているためです。

尚、インストール過程でのユーザ登録ではパスワード設定はできません。
ユーザ登録画面で1ユーザだけを登録した場合にはログオンユーザを選択するユーザ一覧画面は表示されずパスワードもないため、登録したユーザで自動ログオンされます。


ユーザにパスワードを設定するとユーザ選択画面でログオンユーザを選択した時にパスワード入力欄が表示されますのでパスワードを入力します。






(3)すっきりデスクトップ

Windows XPの初期デスクトップはごみ箱アイコンだけのすっきりした画面になっています。
背景画像の草原はカリフォルニアのナパとのことです。




Windows 2000でもデスクトップ上のアイコンを非表示にするオプションを使えばすっきりしたデスクトップにできます。


(4)「スタート」メニュー

「スタート」メニューは左右の2列に分かれて表示されます。
左側にはMac OSのように最近使用したプログラムが表示されるようになっています。




「終了オプション」を選択すると終了タイプの選択画面が表示されます。

尚、「スタート」メニューにある「終了オプション」はコントロールパネルのユーザアカウントオプションで「シャットダウン」表示にも切り替えられます。





(5)プログラムメニュー

「スタート」メニューの「すべてのプログラム」ボタンを押すとプログラム一覧が表示されます。






(6)タスクバー

(7)Windows XPのバージョン表示

Windows XP付属のアプリケーション(メモ帳)などのバージョン表示は「Version 5.1 (Build 2600.xpclient.mmmmmm-nnnn)」の形式ですが、他にもいろいろな表示のされかたがあります。

(8)ライセンス認証

ライセンス認証はマシン構成から作成された「インストールID」をライセンス認証サーバに送り確認IDをWindows XPに登録するという仕掛けで実現されます。

Windows XPのインストール中にライセンス認証をしていない場合には「すべてのプログラム」メニューの目立つところに「Windowsのライセンス認証」が表示されます。




この「Windowsのライセンス認証」を起動すると認証手続き画面が表示されます。
またタスクバーの通知領域(タスクトレイ)の中に鍵アイコンが現れライセンス認証を促す通知メッセージが表示されます。







ライセンス認証期限まで後7日という状態になるとライセンス認証を促すダイアログがログオンのたびに表示されます。

ライセンス認証を済ませると「すべてのプログラム」メニューの中の「Windowsのライセンス認証」とタスクトレイの中の鍵アイコンは表示されなくなります。
但し、アクセサリメニューのシステムツールの中には「Windowsのライセンス認証」があり、それを起動すると認証済みを示すメッセージが表示されます。





ライセンス認証の手続きは30日以内にしなければなりませんがそれを過ぎてからログオンしようとすると次のメッセージが出て、ライセンス認証を済ませるまでデスクトップ操作は一切できなくなります。

ログオンする前に、このWindowsのライセンス認証の手続きを行う必要があります。
今すぐライセンス認証を行いますか?

上記メッセージに対して「はい」を選択すると次の「Windowsのライセンス認証」画面が出ます(「いいえ」を選択すると再びログオン画面に戻ります)。




尚、ライセンス認証手続き期限を過ぎた場合はセーフモードで起動してもライセンス認証手続きを済ませるまではセーフモードでのマシン操作自体もできなくなります。
またセーフモードの状態でライセンス認証手続きをすることはできません。


更にWindows XPのライセンス認証を済ませた場合であってもそのPC自体のマシン構成を大幅に変えて起動するとライセンス情報が確認できない旨のメッセージが表示されます。
その場合はライセンスの再認証が必要となります。


(9)モノトーンメニュー

各種のメニュー表示において背景色の標準色が白になりました。

(10)視覚効果

「システム」プロパティのパフォーマンスオプションに「視覚効果」が追加されました。


(11)エクスプローラでの簡易フォルダ表示

エクスプローラのデフォルトでの表示方法は「簡易フォルダ表示」になり、フォルダツリーの縦の点線表示はされなくなっています。




フォルダオプションの設定により従来スタイルの表示に戻すこともできます。


(12)Internet Explorer(IE)

Windows XP付属のInternet Explorerのバージョンは6.0です。
このバージョンにはセキュリティホール(Cookie処理問題、ドットなしIPアドレス処理問題)があるため対策パッチ(Q312461)を適用する必要があります。


(13)ネットワーク関連


(14)Linuxとの連携

Windows XPとLinuxとの連携についてはこちらで紹介しています。


(15)IIS(Webサーバ)

Windows XP付属のIISはVer5.1です。


(16)telnetサーバ

Windows XP側でtelnetサーバを起動しWindows Meから接続してみました。


(17)テキストの読み上げテスト

コントロールパネルの「音声認識」では簡単なテキストの読み上げ確認が行えます。

音声認識のプロパティ画面にテキストを指定して「音声の再生」ボタンを押すとテキストが読み上げられます。
(再生中の単語は反転表示されます)





(18)日本語ユーザ名

Windows XPではWindows 2000と同様にユーザ名とそのフルネームを日本語で指定できます。
開始画面(ユーザ選択画面)やスタートメニューに表示されるのはフルネームの方です。
尚、ようこそ画面を使用しない設定にしている場合の「Windowsへログオン」ダイアログで指定するのはユーザ名の方です。

ご参考:Windows 2000で日本語ユーザ名をした時のログオフ画面はこちらです。


(19)ユーザの簡易切り替え

ユーザの簡易切り替えはログオフすることなく別のユーザがログオンできる機能です。
ユーザの切り替えはスタートメニューのログオフで「ユーザの切り替え」を選択し、ようこそ画面(ログオンユーザの選択画面)で別ユーザに切り替えます。
別ユーザの作業が終わって元のユーザに切り替え直せば元のユーザが作業していたデスクトップ画面がそのまま復元されて表示されます。
元のユーザがダイアルアップ接続して作業をしていてもユーザ切り替えでダイアルアップ接続が自動切断されることはありません。

尚、この「ユーザの簡易切り替え」機能はコントロールパネルのユーザアカウントでようこそ画面を使用する指定にした時だけ有効にできるオプションですがデフォルトで最初から「ユーザの簡易切り替え」機能は有効になっています。


(20)リモートデスクトップ(具体的な使い方はこちらで紹介しています)

Windows MeからWindows XPにリモートログオンしてWindows Me上からWindows XPを遠隔操作してみました。


(21)リモートアシスアンス

使用例はこちらで紹介しています。


(22)Windows XP付属のGeForce3ドライバ

Windows XPではGeForce3ビデオカードのドライバが標準でサポートされています。
NVIDIAのサイトにはDetonator XP v21.83ドライバが公開されていますがWindows XP標準のドライバを使って3DMark2001やPlus!付属のゲームを実行してみました。

(23)NVIDIA Detonatorドライバ

Windows XP付属のGeForce3ドライバをNVIDIA Detonator(リファレンスドライバ) Ver 23.11(2001年12月リリース版)に入れ替えてみました(リファレンスドライバ 23.11の公開サイトの内容)。


(24)16ビットアプリケーション

16ビットアプリケーションであるVB(Visual Basic) 2.0をWindows XP環境で使ってみました。

(25)クラシックモード

Windows XPには[スタート]メニュー及びデスクトップのテーマそれぞれにクラシックモードが用意されています。


尚、[スタート]メニューとデスクトップのテーマの両方を一緒にクラシックモードにするとWindows 2000のような感じになります。
しかしコントロールパネルでのカテゴリ表示が無くなるわけではありません。
但し、パフォーマンスの優先オプションを適用するとコントロールパネルのタスクペインは非表示になります。


(26)Terminalアプリケーション

Mac OS XにはUNIXコマンドの使えるTerminalというアプリケーションが標準搭載されていますがWindows XPにはそれ相当のものがありません。
そこで「X on Windows」のコンソールアプリケーションをWindows XPに導入することによりMac OS X付属のTerminalと同じような操作ができるようになります。



(27)お手軽ライブ配信

Windows XP上でもWindows Media エンコーダ 7.1を簡易的なライブ配信サーバとして利用できます。
つまりWindows Media エンコーダ 7.1を組み込むと専用ライブ配信サーバソフト(RealServer等)を導入しなくても手軽にインターネット等でライブ配信(キャプチャした動画・音声をリアルタイムにエンコード&配信)することができるようになります。
尚、Windows Media エンコーダ 7.1ではデスクトップ画面のライブ配信もできます。
これを実現するにはWindows Media エンコーダ 7.1でのライブ配信用ウィザードでのデバイスオプションでビデオデバイスとして「画面の取り込み」を選択します。
デスクトップ画面のライブ配信を実施しているマシン自体のデスクトップ画面をそのマシンのWindows Media Playerで受信確認してみた様子はこちらです。


Windows XPにおいてはライブ配信サーバであるRealServer 8.0も動作します(サービス名:RMServer)。
RealProducerでリアルタイムにエンコードしたものをRealServerを通してライブ配信できます。
クライアントマシンのRealPlayerからはRealServerに接続してライブ再生します。


(28)その他