仮想マシン環境でのBSD/OS実行

仮想マシン環境にはVMware, Virtual PC, QEMU, Parallels, KVM等多くの種類があります。
BSD/OSのインストールはインストールFDからブートして、CD-ROMからパッケージをインストールします。
またBSD/OSはインターネット/イントラネットサーバですのでネットワークも必須となります。

BSD/OS(ver 4.0.1)を仮想マシンのゲストOSとしてインストールする場合は各仮想環境の特性との相性が問題となります。
(1)VMware Server環境の場合、BSD/OSはネットワークカード(Am79C970A)を認識しません。
またCD-ROMドライブについてはBusLogic SCSIタイプにする必要があります。
(2)Virtual PC 2007の場合、BSD/OSはネットワークカード(Digital DS21140)はde0として認識しますがCD-ROMを認識しません。
(3)QEMU環境の場合、BSD/OSはネットワークカード(NE2000)は認識しますがCD-ROMは認識しません。
(4)Parallels Desktop 4.0 for Macの場合、BSD/OSはネットワークカード(NE2000)とCD-ROMを認識します。
Parallels環境ではRealtek RTL8029(NE2000互換)カードが正しく認識されます。
(5)KVM環境の場合、BSD/OSはネットワークカード(AMD PCNET)とCD-ROMを認識しません。

マルチプラットフォーム対応の仮想マシン環境でBSD/OSを実行させる場合の選択肢は唯一QEMUです。
そこで、今回ははオープンソースのQEMU環境でBSD/OSを実行する手順を簡単に紹介します(QEMU on Windows使用)。
尚、QEMU on Windows 0.9.0でのBSD/OSはネットワークカード(NE2000)は認識しますが通信ができないという問題があります。
このためQEMU on Windows 0.7.1のTAP環境を利用することにしました。


1.QEMU環境でBSD/OSを実行する手順概要

QEMU環境のBSD/OSはネットワークカード(NE2000)は認識しますがCD-ROMは認識しません。
CD-ROMを認識しないということはパッケージのインストールができないことを意味します。
BSD/OSのインストールオプションとしては、同一セグメントにある別マシンのリモートCD-ROMをrshでアクセスする機能も用意されています。
しかしこの機能をQEMU環境で利用するにはQEMUゲスト間ネットワーク接続をサポートしたQEMU 0.9.0が必要になりますが、
残念ながらQEMU on Windows 0.9.0環境ではBSD/OSのネットワーク機能自体が正しく動作しません。
(QEMU on Windows 0.9.0環境でネットワーク設定したBSD/OSの仮想ディスクはQEMU 0.7.1環境ではネットワーク機能が動作します)

BSD/OSのインストールは次のステップに分かれています。
(1)Step1:インストールFDからブートしてCD-ROMからパッケージをインストールするステップです。
(2)Step2:Xウインドウとネットワークの設定を行うステップです。

今回はStep1をVMware Server 1.0.xで実施し、Step2はQEMUで実施しました。
尚、VMware Serverでの仮想ディスクはQEMUでの利用も考慮して容量固定の仮想ディスクとします。


2.VMware Server環境でのBSD/OSのインストール

VMware Server環境での仮想マシン定義は以下のようにします。
(1)ゲストOS種別:Other, バージョン:FreeBSD
(2)仮想マシン名:BSDOS4
(3)メモリ:512MB
(4)SCSIアダプタ:BusLogic
(5)仮想ディスク:IDEタイプの2GBの容量固定ディスク
2GBの仮想ディスクファイル実体はbsdos4-flat.vmdkとします。

インストールの流れは以下の通りです(Windows Vista上のVMware Serverを使用)。



3.QEMU環境でのBSD/OSのネットワーク設定

今回使用したQEMUはWindows版のQEMU 0.7.1でTAP対応のもの(2005年8月版)です。
Windows XP環境にOpenVPNを導入しその接続名をTAP-Win32-LANとしました。
QEMU起動パラメータのtapオプションで「TAP-Win32-LAN」を指定します。
尚、QEMUで使用する仮想ディスクはVMware Server環境で使用したbsdos4-flat.vmdkをそのまま使用します。



4.QEMU環境でのBSD/OSの実行



5.ご参考:Parallels環境でのBSD/OS

Parallels(今回はParallels Desktop 4.0 for Mac)環境ではそのParallelsだけでインストール、システム設定が可能です。
下記は各ポイントでのスクリーンショットです(解説は省略しています)。